サステナビリティ

循環型社会の構築

廃棄物量※1・水リスクの極小化やリサイクルしやすい製品設計を通して限りある資源を有効に利用し、循環型社会の実現に貢献しています。

  • ※1 TG2050環境チャレンジで掲げた排出物量極小化に向け、現在は、廃棄物量の低減に取り組んでいます。

基本的な考え方

TG2050環境チャレンジで掲げたサーキュラーエコノミーである循環型社会の実現に向けて、排出物量、水リスクの極小化を目指して、2030年マイルストーンとして目標を設定し、材料使用量の低減、徹底的な分別による廃棄物の低減、リサイクルしやすい製品設計など資源の有効利用に取り組んでいます。

また、水に関しては気候変動の影響により世界各地で水不足や水害などが発生しており、大きな問題となっています。そのため、グローバルで活動を展開する国・地域ごとにリスクを洗い出し、水使用量の低減や水のリサイクルはもちろん、よりきれいな排水として地域に還すことなどのリスク低減に取り組んでいます。

廃棄物の低減

2030年マイルストーンの設定

TG2050環境チャレンジの実現に向けて、2030年マイルストーンを設定して取り組みを推進しています。実現に向けては、つくりの改善による端材・廃材の極小化やリサイクルしやすい製品・材料開発、工場での徹底的な分別などを行っていきます。

■廃棄物量の極小化に向けたシナリオ(削減イメージ図)

廃棄物量の極小化に向けたシナリオ(削減イメージ図)
製品のリサイクル技術の開発

自動車のライフサイクル全体を考え、リサイクルしやすい製品や材料の開発・設計、廃材のリサイクル技術の開発を推進しています。

■ELV※2部品リサイクルに向けた技術開発

重点項目 取り組み方策
新規リサイクル
  • 複合素材分離技術
  • 新規再生処理技術
    (高品質マテリアルリサイクル)
リサイクル材の
車両搭載
  • ELV部品再生処理技術
  • リサイクル材用途開発
リサイクルしやすい
製品設計
  • 解体しやすい製品設計
  • リサイクルしやすい素材、構成への変更
  • ※2 使用済車両(End of Life Vehicle)
生産段階での廃棄物の低減

生産工程における廃棄物低減を図るため、発生源対策とリサイクルを推進しています。さらにTG2050環境チャレンジの達成も視野に入れ、工場、生産技術、材料技術、製品設計部門と連携した「廃棄物低減プロジェクト」を発足させ、発生源対策の強化を図っています。各工場では、現地・現物による低減活動に加え、外部の専門家による低減アイテム出しを行い、ゴム、樹脂、廃液の低減を実施しています。

また、国内外グループ会社にも廃棄物低減を促進するための勉強会を実施しています。

■廃棄物量・売上高当り廃棄物量(指数)※3
国内連結
豊田合成(株)
海外関係会社
  • ※3 売上高当り廃棄物量(指数)は基準年を100とした場合の数値
廃棄物発生量・処理状況
事例

エアバッグパッドの易解体(いかいたい)※4設計による廃棄物低減

従来、パッドと金属をリベットでかしめていたため、不具合時に製品の解体ができず、良品部材も含め全て廃棄物として処理していました。品質面を考慮しつつ固定方法を容易に解体できる構造に変更することで、部材ごと(樹脂パッド、布、金属)に分解できるようになり、リサイクル・有価物化によって、廃棄物を約8.5トン低減しました。今後も同様の観点で廃棄物の低減を進めていきます。

  • ※4 いろいろな部品が簡単に取り外しできること

端材を活用した製品開発

ゴムの端材・リサイクル材を活用した製品開発を行い、工場での作業時に疲労を軽減するためのフロアシートの開発を行いました。また、エアバッグの端材を活用したエコバッグ等を開発し、Re-S(リーズ)という商品名で販売を開始しました。

廃材・端材のリサイクル推進

ゴムは材料に硫黄をまぜ、熱や圧力を加えて製品の形状や強度を保持するため、リサイクルの難しさが課題でした。当社は、硫黄接合部分をほどいてリサイクルを行う技術(脱硫技術)を開発し、静岡県の森町工場に、ゴムのリサイクルを行う脱硫工程を整備しました。

■ウェザストリップ製品のリサイクル工程

ウェザストリップ製品のリサイクル工程
物流段階の梱包材の低減

製品輸送時に使用する梱包材については、通い箱の洗浄回数を増やし清潔に保つことで、汚れを防ぐために使用する梱包材を低減しています。さらに、製品の品質維持と梱包材の使用量低減とのバランスを考慮しながら、通い箱への蓋付けなどによる梱包材の低減も進めています。

■物流梱包材使用量・売上高当り物流梱包材使用量(指数)※5

物流梱包材使用量・売上高当り物流梱包材使用量
  • ※5 売上高当り物流梱包材使用量(指数)は基準年を100とした場合の数値

水リスクの低減

TG2050環境チャレンジの水リスクの極小化に向けて、2030年マイルストーンを設定して取り組みを推進しています。実現に向けては、国内外の拠点を水量、水質の両面でリスク評価して、高リスクの拠点の改善を進めています。

また、低リスクの拠点においても資源の有効活用のために、水の取水量の削減に取り組んでいます。

2020年度は、水漏れの改善やリサイクル推進などの削減に取り組みました。また、排水処理施設を計画的に更新するなど、よりきれいな排水にするように取り組んでいます。

項目 2030年度目標
リスクが高いエリア 水質 4拠点で対策完了
取水量 7拠点で対策完了
リスクが低いエリア 売上高当り取水量 ’19年度比11%減
■水使用量・売上高当り水使用量(指数)※6
国内連結
豊田合成(株)
海外関係会社
  • ※6 売上高当り水使用量(指数)は基準年を100とした場合の数値
事例

森町工場の排水処理施設を更新

設置から30年以上が経過した森町工場の工程系排水処理施設を2018年度に更新しました。従来より高度な処理(膜分離式活性汚泥法)の採用と常時監視機能の拡充により、従来よりきれいな安定した水質での排水を実現しました。将来は、冷却水としての活用を検討しています。

雨水利用による水使用量低減

当社グループの豊信合成(株)では、工程の循環水やグリーンカーテン、リフレッシュスぺースの植物への水やりに雨水を利用し、水使用量を約3%低減しました。