サステナビリティ

環境マネジメント

環境保全に努めるとともに、従業員一人ひとりが環境意識を持ち行動に移せるように、従業員への教育や啓発を続けています。

基本的な考え方

持続可能な環境活動のために、従業員の環境意識向上に向けた啓発や人材の育成に積極的に取り組んでいます。

連結環境マネジメントの強化推進

当社グループ全体で環境管理を推進しています。環境データを国内関係会社は2001年度から、海外関係会社は2003年度から集計をスタート。その環境データ(CO2排出量、廃棄物量、水使用量、VOC排出量他)を基に毎年年度目標を設定し、低減活動を推進しています。2017年度もグループ各社としっかり連携を図り活動しました。

■環境管理対象(生産事業所)
豊田合成(株) 国内グループ会社
  • 春日工場
  • 西溝口工場
  • 瀬戸工場
  • 稲沢工場
  • 尾西工場
  • 北九州工場
  • 佐賀工場
  • 森町工場
  • 平和町工場
    神奈川工場
  • 福岡工場
  • 一榮工業(株)
  • 日乃出ゴム工業(株)
  • 豊信合成(株)
  • 豊田合成インテリア・マニュファクチュアリング(株)
  • 海洋ゴム(株)
  •  
  • ティージーオプシード(株)
  • TGAP(株)
  • TSオプト(株)
    豊田合成東日本(株)
海外グループ会社

■米州
〈 統括拠点:豊田合成ノースアメリカ(株)〉

  • TGミズーリ(株)
  • TGケンタッキー(有)
  • TGオートモーティブシーリング
    ケンタッキー(有)
  • TGフルイドシステムズUSA(株)
  • 豊田合成テキサス(有)
  • ウォータービルTG(株)
  • TGミント(株)
  • タペックスメキシカーナ(株)
  • 豊田合成オートモーティブシーリング
    メキシコ(株)
  • GDBRインダストリアコメルシオ(有)

■アジア
〈 統括拠点:豊田合成アジア(株)〉

  • 豊田合成タイランド(株)
  • 豊田合成ラバータイランド(株)
  • 豊田合成ハイフォン(株)
  • 豊田合成サウスインディア(株)
  • (株)豊田合成セーフティシステムズ
    インドネシア
  • 豊田合成ミンダ・インディア(株)
  • 豊裕股份有限公司

■中国
〈 統括拠点:豊田合成(上海)投資有限公司〉

  • 天津豊田合成有限公司
  • 豊田合成星光(天津)汽車部品有限公司
  • 豊田合成(張家港)科技有限公司
  • 豊田合成(佛山)橡塑有限公司
  • 豊田合成(佛山)汽車部品有限公司
  • 豊田合成(天津)精密製品有限公司

■欧州・アフリカ

  • 英国豊田合成(株)
  • 豊田合成チェコ(有)
  • 豊田合成南アフリカ(株)
  • ISO14001取得済 新会社、主力工場については稼働3年を目処にISO14001取得
海外関係会社の環境管理体制の整備

海外では2010年度から中国地区、2014年度から豪亜地区、2015年度から米州地区と順次環境統括機能を設置し、管理体制の強化を行ってきました。2017年度は統括拠点との定期的なTV会議を行うことで情報共有とさらなる連携強化を図りました。また、環境管理のレベルアップと環境異常の未然防止に向け、環境マネジメントシステム※1「TGグローバルEMS※2」を改定し展開しました。

  • ※1 環境マネジメントシステム(Environmental Management System)の略。
  • ※2 豊田合成グループとして、リスク管理面も含めた順法・環境負荷低減を主体に、具体的な管理の仕方や手続きなどの仕組みを定めたマニュアル。
事例

環境マネジメントシステムを改定

2006年度に定めた環境マネジメントシステム「TGグローバルEMS」を全面改定し、国内外の関係会社に展開しました。今回の改定では、拠点数の増加に伴い曖昧さが出てきた統括拠点と本社それぞれの役割を明確化し、不十分さが見られる傾向管理の基準値設定や指標管理のポイントなど未然防止に向けた取り組みについては、各拠点の声も聞きながら、さらに具体的な内容としました。

森町工場3棟2階の暑熱対策
環境監査

環境マネジメントシステムが適切に運用されているかを監査しています。

■ISO14001 環境監査

当社および国内外の関係会社は、環境マネジメントシステムであるISO14001を取得しており、ISO14001:2015への移行を完了しました。内部環境監査は、監査の独立性・客観性を高めるために、監査対象事業所以外のメンバーで構成したチームで実施しています。また、当社では(一財)日本品質保証機構(JQA)に外部環境審査を依頼し環境マネジメントシステムがISO14001に従い、適切に運用されているかを確認しています。

■ISO取得生産事業所
豊田合成(株) 10ヵ所
国内グループ会社 8ヵ所
海外グループ会社 米州:10ヵ所、アジア:7ヵ所、中国:6ヵ所、
欧州・アフリカ:3ヵ所
  • 外部環境審査/森町工場 外部環境審査/森町工場
  • 内部環境監査/稲沢工場 内部環境監査/小川工業(株)
■海外環境監査

2017年度から2018年度にかけて、「TGグローバルEMS」に基づいた自主点検の実施と、重要拠点については当社による現地・現物による環境監査を行いました。

なお、指摘された改善点については、いずれも是正処置は完了しました。

  • 平和町工場/日本 2009年11月植樹 TGミズーリ(株)
  • 平和町工場/日本 2016年5月植樹 豊田合成ラバータイランド(株)
順法/環境「異常・苦情ゼロ」活動で管理を強化

法令遵守はもちろん、環境異常・苦情を発生させないために、専門部署による定期的な環境点検を行い、維持管理に努めています。また、リスク対策として、環境保全ワーキングを開催するなど未然防止活動を行っています。さらに他社で発生した不具合事例を解析し、国内外関係会社を含め同類設備の点検などを行い、未然防止につなげています。

2017年度は、環境異常が5件発生(豊田合成:1件、国内:0件、海外:4件)しました。いずれも是正処置・グループ内への再発防止策の展開はすべて完了しました。

PCB含有機器の適正処分と保管

有害で難分解性のPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は、2027年3月末までに処理しなければならないことが法律で定められています。当社では2006年度から社外委託処理を開始し、2017年度までに848台のPCB廃棄物の処理を完了しました。2017年度は、変圧器やコンデンサなど低濃度PCB廃棄物を14台、13.8tの処理を完了しました。

未処理の低濃度PCB廃棄物も早期に処理を進めていきます。
(高濃度PCB廃棄物は、2016年7月に処分完了)

区 分 種 類 処理台数 処理重量
高濃度PCB廃棄物
(PCB濃度:5,000mg/kg超)
安定器・
電力コンデンサなど
795台 6.8t
低濃度PCB廃棄物
(PCB濃度:0.5~5,000mg/kg)
変圧器・
電力コンデンサなど
53台 73.9t
  • 内部環境監査/稲沢工場 PCB廃棄物の処理
土壌・地下水の保全

過去に洗浄剤で使用していたトリクロロエチレンなどの有害物質による地下水汚染の監視と浄化に取り組んでいます。また、観測井戸を各工場に設置し、有害物質や油脂類による土壌・地下水の汚染がないことを定期的に確認しています。

事業所 対象 対策状況
春日工場 地下水 浄化中
(敷地外からの汚染の可能性もあるが積極的に浄化)
稲沢工場 地下水 過去、使用実績のない物質が検出されたことから、
測定結果のみ定期的に行政へ報告
※2010年以降は、基準未満(2012年度で行政報告終了)

グローバル教育・啓発活動の一層の強化

環境教育

自然破壊や環境汚染などの環境問題をはじめ、生産活動に伴う環境への影響、環境法令の順守などに関する従業員教育を行っています。内容は、毎年、法律の動向を踏まえ理解と実践に重点を置き、事例などを取り入れた具体的で分かりやすい教材にしています。

■環境教育体系

階層別教育

階層別教育

ISO教育

階層別教育
■環境スタッフのスキルアップ教育

TGグローバルEMSや月次報告などを通して、環境負荷低減の着眼点や事例の共有、環境管理業務に関する知識向上を図るために、環境スキルアップ教育を行っています。

2018年5月には、統括拠点の豊田合成(上海)投資有限公司(中国)、豊田合成ノースアメリカ(株)(米州)の環境マネージャーに対して、中期CO2低減目標の共有と環境スキルアップ教育を実施しました。今後も環境統括拠点のスタッフを中心に環境教育を推進していきます。

  • ■環境スタッフのスキルアップ教育低減事例の現地見学(稲沢工場)
環境意識を高めるための啓発活動

環境保全活動を継続的に実施していくために、従業員一人ひとりが環境意識を持ち、行動に移せるように、環境月間や環境講演会などを定期的に実施して従業員の環境意識向上を図っています。

また、従業員の環境意識を把握するために、毎年全従業員を対象とした調査を実施し、その結果をもとに啓発活動へつなげています。

事例

環境展示会を開催(環境月間)

環境保全活動の促進をねらいに、環境展示会を開催しています。2017年度は、生産設備や工程のコンパクト化・省エネ化に向けた生産技術の開発や工場での改善、廃棄物や水の低減など国内外の事例に加え、自然共生活動の必要性と当社グループの活動や2030年度に目指す姿を動画やパネルで紹介しました。また、遠方の事業所に対しては、後日改めて、当日紹介した動画やパネルを持ち込み紹介する「出前環境展示会」を、要望のあった4工場(森町工場、北九州工場、福岡工場、尾西工場)で開催しました。

エコツアーを開催(環境月間)

従業員とご家族が環境について学んでもらうためのエコツアーを開催しています。2017年度は、自然と触れ合うなかで、身近なところから環境について考えるきっかけを作る場として、東邦ガス(株)のガスエネルギー館を訪れ環境とエネルギーについて学んだほか、隣接するビオトープに生息する生き物の観察をしました。

エコ川柳(環境月間)

環境意識の向上を目的に、省エネ、節水、分別・リサイクルなどのエコ活動をテーマとした川柳を、TGグループ全従業員から募集しました。部門・会社ごとに選出された代表作品から、5名を「優秀賞」として表彰しました。また、応募作品については、社内向けのホームページへ掲載し、環境意識の向上につなげています。

作品
金賞 エンジンを 止めて聞こえる 虫の声
銀賞 温暖化 ふせぐ工夫に あつくなれ
その明かり 消して未来に さす光
銅賞 電気消せ ママの口癖 子にうつる
燃やすなら ガソリンよりも 皮下脂肪

環境講演会を開催

環境意識の向上と環境活動の促進を目的とした環境講演会を開催しています。2017年度は、製造業における優れた環境経営で知られるコニカミノルタ(株)の高橋 壮模氏を講師にお招きし、製品のライフサイクル全体で環境負荷を減らすとともに、社会全体のCO2削減に貢献することで事業成長を目指す「グリーンプロダクツ」「グリーンファクトリー」「グリーンマーケティング」などさまざまな事例をご紹介いただきました。

講演に耳を傾ける参加者


講演する高橋氏

環境意識調査

当社の国内全従業員を対象に、環境動向や当社の環境活動への認知度や2017年度に実施してきた周知・取り組みが効果的であったかなどの確認をする第2回環境意識調査を行いました。昨年同様、従業員の世の中の環境問題への関心は高いものの、当社の環境活動に対する認知度は昨年より向上したが、まだ不十分で、一人ひとりの実践に結び付いていない傾向が見られました。アンケート結果を踏まえ、具体的な行動につながるような施策を実施していきます。

環境貢献表彰

環境意識の向上と環境活動の促進を目的に「環境貢献表彰制度」を設けています。当社の製造部門、技術・生産準備部門、工場・事業所部門と国内関係会社を対象に、環境活動で大きな成果をあげた会社や部門を表彰しています。
 2017年度は、製造部門:積極的に設備投資を行い全ての環境負荷低減目標を大幅に達成したSS製造部、技術・生産準備部門:量産工程でCO2排出量の低減に有効な革新的な試験方法を確立したSS生産技術部、工場・事業所部門:小学校への環境教育やグリーンカーテンづくりなどで積極的に環境意識の啓発活動に努めた平和町工場を表彰しました。国内関係会社は、全ての環境負荷低減目標を大幅に達成した一栄工業(株)と、CO2低減に積極的に取り組み大きな効果があった豊信合成(株)を表彰しました。
【参考】表彰対象となる活動期間:2016年4月~2017年3月

環境シンボルマークをリニューアル

2017年6月の環境月間に合わせて、環境意識の向上を目的とした、新たな「環境シンボルマーク」を国内外関係会社を含め募集しました。世界中から集まった353件の提案の中から、分かりやすさや親しみやすさ、使用用途などの観点から審査を行い、環境シンボルを決定しました。今後、環境活動のシンボルとし、名刺やイベントなどで使用していくことで、環境への関心を、さらに高めていきます。

TGフェスティバルに「環境ブース」出展

環境活動の重要性を理解してもらうために、社内の各種イベント開催に合わせて、環境活動を紹介する「環境ブース」を出展しています。2017年度は「人と自然との共生」をテーマとし、自然共生活動の必要性や当社グループが実施している自然共生活動(工場の森づくり、ビオトープづくり、オールトヨタ自然共生ワーキンググループ活動など)をパネルで紹介するとともに折り紙を使って身近な昆虫を知って貰うイベントをTGフェスティバルで行いました。

  • 平和町工場/日本 2009年11月植樹 パネル展示・紹介コーナー
  • 平和町工場/日本 2009年11月植樹 昆虫折り紙コーナー
  • 平和町工場/日本 2009年11月植樹 カーボン・
    オフセット証書

また、TGフェスティバルで排出されるCO2を当社グループの会社がある岩手県の県有林を保全する事によって、増加するCO2吸収量と相殺(オフセット)して環境にやさしいイベントになっていることを紹介しました。

グリーンカーテン

従業員の環境意識の向上や夏場のエネルギー費用の低減を目的に、ゴーヤやキュウリを栽培して建物の南面を覆うグリーンカーテンの設置を2012年度から行っています。2017年度も引き続き、グリーンカーテンのできばえを競う「グリーンカーテンコンテスト」を実施。「事業所の部」には9社14拠点、「個人の部」には18人の応募があり、国内:3事業所、海外:1事業所、個人:3人を表彰しました。

  • 事業所の部:日乃出ゴム工業(株)