お宝拝見
お手元にある貴重な品々、それにまつわるエピソードなどをご披露頂くコーナーです。
まず第一回として宗像道久さん(87年度入会)のコレクションから「浮世絵」と「青磁の坐像」をご披露頂くことにしました。ほかにも多数の逸品をお持ちですので、以降のご公開にもご期待を願います。
鈴木雅澄さんの夢さそう品
鈴木雅澄さん(07年度入会)よりご披露のお宝は、さる2000年に応募された未来の予言の作文でみごと優秀賞を獲得された折の「賞状」と記念の「楯」です。タイムカプセルに収められた予言は、2050年が到来するまで開封されません。
ホームページアドレス http://www8.atpages.jp/masazumi/
メールアドレス suma@sc.starcat.ne.jp
≪タイムカプセル21≫の中身は果たして?
2000年12月、中日新聞社主催の企画として「21世紀予言☆私の願い」と題する作文募集が行われ、全国から1,720点もの作品が寄せられました。雅澄さんは、翌2001年2月にお孫さんが生まれる予定で心待ちの最中でもあり「その孫が成人する頃どんな世の中になっているかな?」との想像や期待を含めて応募されたとのこと。優秀賞30点が選ばれましたがみごとに入賞、2001年元旦の中日新聞朝刊に紹介されました。いかなる予言か?知りたいところですが、実は「タイムカプセル21」という名の元に封印中で、2050年に封を解かれる・・雅澄さんは「それまでは家宝の扱い。孫に立ち会って貰って開ける」と、常々その日を楽しみにしておられるようです。
≪エッセー 想い出の打ち出の小槌≫ 鈴木雅澄
父親がまだ40代の頃だろうか、100円ライターの無かった時代、どこの店でもマッチをくれたものである。父はマッチをもらってくると、水を張った洗面器に外箱を浮かべてしばらく置いた後、レッテルを剥がし、手作りのスクラップブックに丹念に貼り付けていた。そのスクラップブックは未だに本箱の隅にあった。1ページづつめくって数えてみる。240点ほどある。それを順番に眺めていくと、(あー、こんな店もあったんだ)(ここは家族4人でうなぎを食べにいったなー)などの想い出が頭をよぎる。まだ外食が贅沢だったころ、その日だけは裕福な気分になったものだ。(そうそう、このパチンコ屋、女性専用コーナーもあったんだ)など、それぞれの店の情景が次から次へと浮かぶ。 父といっしょによく呑みに行った割烹料理店のレッテルを探したが見つからない。だが、きれいだったママの面影を思い出して懐かしい気持ちに。この遺品は私の心にとって打ち出の小槌である。
懐かしいラベルの数々、スライドショーでご覧下さい。
新たなご紹介です
≪五色の糸≫=以下は鈴木雅澄さんによるご説明です。
私は若い頃歌舞伎が好きでした。舞台をしばしば見に行っているうちに芝居を盛り立てる下座音楽に惹かれました。中でも三味線の音色は格別です。結婚して間もない頃、妻が三味線を習いたいと師匠のところへ通い始めましたが、その後1年ほどで長男を身ごもり稽古を断念、代わりに私が稽古場へ通うようになりました。若干29歳でした。 随分年寄りじみていましたが、師匠はその時37歳の若さ。以後約30年間通いました。 その間家元や先輩後輩のお弟子さんなど多くの人々との交流があり、私を人としても育てていただきました。この三味線は母に買ってもらった舞台用の一品。最後の演奏会の演題は「五色の糸」。それまで交わった人々の色を表しているようでした。(著者は写真右端)