俳句(はるひ句会)

2015年5月新作はるひ句会へようこそ!

句碑をたずねて

薄氷を 踏みしめ歩む コウノトリ

 この句は前号の句碑同様に、城崎温泉の橋の欄干にあり、「城崎温泉文字まつり」の入選句である。
 コウノトリは全長約1m、翼開長約2m、体重約5kgの大型で、住環境の変化により絶滅危惧種に指定された。
 このため新潟県の佐渡と共に、兵庫県の豊岡(城崎温泉)で、繁殖、人工飼育、放鳥などの保護が行われている。
 とくに城崎温泉の外湯の「絵島の湯」で、コウノトリが疵を癒したという日本唯一のコウノトリ伝説がある。

(豊岡市下宮の久久比神社)

 豊岡市の「コウノトリ情報」によると、現在保護センターで95羽飼育中。放鳥と野外誕生したのが70羽という。
――こうして城崎温泉とコウノトリの関りが理解できた。

1.≪課題句≫  =紫雲英(げんげ、蓮華草、げんげん、げんげ田)=

大矢部俊子 課題句1
蔭山 政江 課題句3
鈴木 定夫 課題句4
鈴木 雅澄 課題句5
徳永スエ子 課題句6
吉弘カスミ 課題句7
宮川久美子 課題句8
安田公子(会友) 課題句9

2.≪自由句≫

大矢部俊子
俳句特設1
蔭山政江
俳句特設2
鈴木定夫
俳句特設3
鈴木雅澄
俳句特設4
徳永スエ子
俳句特設5
吉弘カスミ
俳句特設6
宮川久美子
俳句特設7
安田公子(会友)
俳句特設8

お知らせ
次・夏号の課題は、「豆の花」(小豆の花、大豆の花、蚕豆の花、えんどうの花など)

お世話役:鈴木定夫さんのつれづれメモより
 9年前のこと。4歳年長の従兄から届いた絵手紙の顛末である。絵には頭巾を被り、着物の片肌を脱ぎ、腰に小刀を差して陽気に踊っている男と、足元には徳利や猪口が転がっている俳画であった。
 そして余白に、「水桶に うなずき合うや 瓜茄子」蕪村の句・・とあった。江戸時代の粋を垣間見たが、句意が理解できず暫く額に入れて眺めていた。
 数日後、国語辞典で「うり」を引くと、(1)まくわうりなどの瓜類。(2)「うり二つ」縦に割った瓜のように。(3)瓜の蔓に茄子は生らないことわざ。・・とあり、蕪村の句意が閃いた。
 要するに、「瓜を冷やしている水桶を覗いたら、水が揺れていて(自分と)うなずきあっている」・・と。こうして一枚の俳画に従兄の粋なはからいが嬉しかった。これ以後句意が理解できない時には、億劫がらずに歳時記や辞書を引くようになってきた。従兄弟が存命中にこの顛末を語りたかったと悔やまれた次第である。

鈴木定夫 〒444-0113 額田郡幸田町農基17-1
電話(0564)62-2088    Eメール s-szuki@sk2.aitai.ne.jp