俳句(はるひ句会)2016.1 通刊23号

2016年1月新作はるひ句会へようこそ!

句碑をたずねて

 先般名鉄のハイキングコースで「秋の訪れを告げる萩の花を目指して稲沢めぐり」に参加した。
国府宮を起点に森上駅までの約9.5キロのコース。途中〝萩の寺〟と称する圓光寺に立ち寄った。
萩道の奥に句碑が建っていた。

〝さようならの 言えるまでこの 萩の寺〟 遊

 高田遊先生は本名正男と言い、大正3年1月15日名古屋市東区矢田町に生まれ、俳句と俳誌「焚火」創始者・平出吾邦先生に学び、同先生亡き後「焚火」の代表となる。なお俳誌「海程」の同人でもある。余技として日本画を川端龍子先生に学ばれた。・・と、句碑の後ろに刻まれている。
 圓光寺の奥様にいつこの句を詠まれたかをお聞きした。――高田遊先生は、この萩寺が大好きで20年間、毎年この寺で句会を開き楽しんでおられた。この句は最初の句会の時に詠んだそうです。
 それを焚火の会の有志が先生を偲び「昭和56年9月吉祥日」建立。

 臨済宗妙心寺派圓光寺(通称萩の寺)は禅師滅宗興により開創されたと伝えられています。
禅師滅宗興は尾張中島郡中島城主・中島蔵人の子として生まれ、出家して鎌倉の建長寺で修業。
 一宮市大和町の妙興寺創建、尾張国分寺堂を建立。そして1382年に圓光寺で没す。

=圓光寺の栞より=

*名鉄国府宮駅より矢合観音行きのバスに乗車(約15分)矢合観音下車北へ500mほど。

(小生の自宅から西へ約3kmほどの距離)

メンバー新作ご紹介 作者名(アイウエオ順)

1.≪課題句≫  =「新年」(年新た、新玉の年、年始、年初、年立つ、年立ち返る、年明く、年改まる、年来たる、年迎ふ ――など)=

蔭山 政江 課題句1
鈴木 定夫 課題句2
鈴木 雅澄 課題句3
瀧本 憲宏 課題句4
徳永スエ子 課題句5
安田 公子(会友) 課題句6
宮川久美子 課題句7
山根 円蔵 課題句8
吉弘カスミ 課題句9

2.≪自由句≫

蔭山 政江
俳句特設1
鈴木 定夫
俳句特設2
鈴木 雅澄
俳句特設3
瀧本 憲宏
俳句特設4
徳永 スエ子
俳句特設5
安田 公子(会友)
俳句特設6
宮川 久美子
俳句特設7
山根 円蔵
俳句特設8
吉弘 カスミ
俳句特設9

3.お知らせ

次・3月(第24号)の課題は・・・『春近し』 (春隣、春遠からじ)です。
締め切りは2月15日です。

お世話役のつれづれメモより 「課題」選び
はるひ句会1月号の課題に「新年」(傍題参照)を選んだ顛末を想い起してみると・・

  1. 昨平成27年は、「戦後70年」に因んで新聞が「平和の句」を募集し、毎日掲載していた。
     一方世界では、アイ・エスを名乗る集団が、中東からヨーロッパ・アメリカまで惨禍をもたらしている。また企業による品質上の不正行為が、日本の会社にも発生するなど、良くない話題が多かった。
     嬉しいニュースは、はるひ句会に新たな会員2名をお迎えしたこと。また私事では、絵手紙をやれば〝惚け防止〟に効果がある?との新たな実感。・・明るい話題も少なくなかった。
  2. ある知人より〝身辺整理〟の一環なのか?俳句の歳時記を頂いた。毎号課題の「季語」探しなど俳句の百科事典として重宝している。*刊行年順「新年」の季語傍題を比較してみた。
    • 「入門歳時記」昭和55(1980)年・角川書店刊。「新年」の季語の説明だけで、傍題の記載が無い。
    • 「カラー図説日本大歳時記」昭和56(1981)年・講談社刊。新年の傍題20語。
    • 「日本たべもの歳時記」平成10(2008)年・講談社刊。新年の傍題7語。
    • 「合本俳句歳時記」平成20(2008)年・角川書店刊。新年の傍題7語。
      *私が俳句を始めた時に購入

――こうして各歳時記の新年の気候の季語(傍題含む)を見て、時代の生活実感に沿わず
省かれた季語・傍題に興味が湧いてきた。例えば・・

  1. 「年の端(としのは):国語辞典によると、「十歳そこそこの子供」とある。ふと小学生の頃何か悪いことをして、母から「としはもいかないのにだめ」と、強く叱られたことを想い起した。あれから実に70年・・この言葉を。
  2. 「年の花」:旧暦の新年早々咲く花とすれば、福寿草(元日草)が似合うが、新暦の1月ではまだ咲かないので、平成20年の歳時記では削除。
  3. 「甫年(ほねん)」:漢和辞典によると、甫の成り立ちは田+生(うまれる)=苗を植える、「はじめ」・・とあり、新年の傍題としてはムリがあるので削除・・と思った。

――このように考えながら、1月号の課題を「新年」(傍題参照)とし、古い?歳時記でもOK・・としたゆえんであります。

鈴木定夫 〒444-0113 額田郡幸田町菱池農基17-1
電話(0564)62-2088    Eメール s-suzuki@sk2.aitai.ne.jp