俳句(はるひ句会)2016.3 通刊24号

2016年3月新作はるひ句会へようこそ!

句碑をたずねて

春風や 戸部山崎のやねの音

 拙宅の南、3軒置いた先に〝白亳寺〟という曹洞宗の寺があり、その寺の境内に松尾芭蕉の句碑が建っている。ご覧のように表面は風化して、文字が削れて極めて見づらいが、石碑は芭蕉の立ち姿とも思えるデザインである。

以下〝白亳寺〟の寺歴について記す。 白亳寺の寺歴は元亀2年、桂岩昌玖大和尚開山となり、又天正4年鳳巌公師開基となり、草庵は法地起立開山となった。

 元禄年間に本堂が建立され、又12世大和尚の時、庫裏の大改築、山門が建立された。13代無着黄泉大和尚は天保時代の大禅知識尾張黄泉と称され、「東海禅林」の修行道場を開き、参学の雲水・学僧が多く集まったと云われている。

 昭和20年戦災により全堂宇尽く灰燼と帰し、爾来30有余年檀宗徒の協力により本堂山門建立実行委員会が結成され昭和60年3月31日に再建落慶式が修行された。 以上

メンバー新作ご紹介 作者名(アイウエオ順)

1.≪課題句≫  =「春近し」(春隣、春遠からじ)=

蔭山 政江 課題句1
鈴木 定夫 課題句2
鈴木 雅澄 課題句3
瀧本 憲宏 課題句4
徳永スエ子 課題句5
安田 公子(会友) 課題句6
宮川久美子 課題句7
山根 円蔵 課題句8
吉弘カスミ 課題句9

2.≪自由句≫

蔭山 政江
俳句特設1
鈴木 定夫
俳句特設2
鈴木 雅澄
俳句特設3
瀧本 憲宏
俳句特設4
徳永 スエ子
俳句特設5
安田 公子(会友)
俳句特設6
宮川 久美子
俳句特設7
山根 円蔵
俳句特設8
吉弘 カスミ
俳句特設9

3.お知らせ

次・5月(第24号)の課題は・・・「汐干狩」 (汐干貝、汐干籠)です。
締め切りは4月15日です。

お世話役のつれづれメモより 愛知県名の由来 鈴木定夫
 かねて両親の先祖が愛知県(父方・幸田町、母方・安城市)であることから、県名<愛知>の由来が何となく気になっていた。また1月17日には都道府県対抗女子駅伝競走の最終9区でトップの京都と1分37秒差・4位であった愛知が逆転初優勝。快挙の大宣伝となった。
 ちょうどその頃、歴史好きの友人が愛知県名の由来を教えてくれた。以下要旨

  1. 地名の研究者:鏡味完時二氏によると、名古屋の熱田と御器所の大地の間は、波静かな入り江であったという。そして古くは万葉集に、以下のように詠まれていた。

    年魚市潟(あゆちがた)潮干にけらし知多の浦に朝こぐ舟も沖に寄り見ゆ
    *年魚市潟(あゆちがた)⇒吾潟市(あゆち)⇒愛知(あいち)に転嫁したという。

  2. そこで「年魚市潟(あゆちがた)」の「年魚(あゆ)」は、一年魚の鮎の別称であることから、今号の「句碑をたずねて」の句が詠まれた白豪寺の近くを流れる山崎川には、愛知県と決められた頃には、鮎が生息していた?・・・とも想像してみた。
     我ながら愛知県名の由来が解けた想いにもひたることができ、ある種<趣>の改まる楽しいお正月であった。

鈴木定夫 〒444-0113 額田郡幸田町菱池農基17-1
電話(0564)62-2088    Eメール s-suzuki@sk2.aitai.ne.jp