俳句同好会 はるひ2019.05 通刊43号

2019年5月 メンバー新作俳句同好会 はるひへようこそ!

山中温泉:松尾芭蕉と高弟・河合曾良との別れの句碑 鈴木定夫

 豊田合成OB会の「山中温泉旅行の案内書」を見て、パソコンで同地の見どころを調べた上『芭蕉の館』に目当てを定めていた。宿泊先の「すゞや今日楼」が町はずれにあるのを知って、現地へ到着次第、タクシーを利用して訪れようと決めていた。
 ところが幸いホテルに着く前に、町の中心部で40分くらいの散歩休憩時間が生まれるという〝粋な計らい〟の有難さ。伊藤昭徳さんを誘って目当ての『館』を訪ねることが出来、つとに名高い〝師弟の別れ〟の生まれた辺りの趣き深い雰囲気を、一緒に味わうことができたのである。

1.<課題句>=「鯉幟」(五月幟、座敷幟、初幟、五月鯉、吹流し、矢車)

蔭山 政江 課題句1
鈴木 定夫 課題句2
堰本 敏雄 課題句3
瀧本 憲宏 課題句4
宮川久美子 課題句5
野口 正子 課題句6
山根 円蔵 課題句7
吉川 正男 課題句8
吉弘カスミ 課題句9

2.<自由句>

蔭山 政江
俳句特設1
鈴木 定夫
俳句特設2
堰本 敏雄
俳句特設3
瀧本 憲宏
俳句特設4
宮川久美子
俳句特設5
野口 正子(新入会)
俳句特設6
山根 円蔵
俳句特設5
吉川 正男
俳句特設6
吉弘カスミ
俳句特設7

3.お知らせ

 次・7月号の課題は――「雨蛙(蒼蛙、夏蛙、枝蛙)」です。
傍題はお手元の歳時記による。・・締め切りは、6月10日です。

お世話役のつれづれメモより

  • 芭蕉が山中温泉に滞在中に詠んだ俳句とその背景について
    • 1. やまなかや 菊はたおらじ 湯のにほい

       「ここは桃源郷か・・菊いらずの名湯であると・・中国の伝説:名湯に浸かり皮肉うるおい、筋骨に通りて。心身にゆるく、ひとえに顔色をとどむるの心地。かの桃源も舟を失い慈童が聞くの枝折り知らず」・・と山中の湯を称えたという。

    • 2. いざり火に かじかや波の 下むせび

       こうろぎ橋の上流で「夜川漁」を見物したとき、かがり火を焚いて漁をして鰍(ゴリ)が小石の間に身を潜め、むせび泣いている姿を想像して詠んだ・・といわれる。

    • 3. 湯の名残 今宵に肌の 寒からん

       芭蕉が、「ああ、今夜が最後か」・・と、8日目の晩に、思わず口をついて出たのであろう。手厚いもてなしは、この度でも珍しかったという。明日には去らねばならぬ寂しさが伝わってくるようだ。

  • 芭蕉が滞在していた「泉屋」の主人

    山中温泉の「泉屋」の主人は、14歳の久米之助で、叔父の「自笑(俳号)」が後見人で、芭蕉一行を招いたという。
     芭蕉は久米之助の将来性を見込み、自分の俳号から一字をとって「桃妖」と名づけた。
    「妖」には瑞々しいという意味がある。桃妖は後に北陸の俳句会のリーダーとして活躍した由。現在は、泉屋の別荘が「芭蕉の館」になっている。

  • 平成(最後の)付け句

鈴木定夫 〒444-0113 額田郡幸田町菱池農基17-1