名古屋ゴムの青年期

ピストンカップ用「原料ゴム」にまつわる回想

以下は、鈴木定夫さん(01年度入会)の回想を中心に要約したものです。

ピストンカップは最重要の保安部品で、使用するのは最高級の天然ゴムです。
ところがその原料ゴムは、南洋の原産地での採取の名残りを色濃くまとって入荷して来たのです。

◆原料ゴムのシートをめくってみると・・

原産地から運ばれてきた原料ゴムは、シート状に折り畳まれているので、外側からめくってみると、南京豆の薄皮や煙草の吸殻などが乱雑に付着している・・。
それが普通の状態だった。そこで、折り畳まれた一枚一枚を裏・表ていねいに点検する。時にはカギ手で破いたりして、見つけた付着物を鋏で切り取る。または手指で取り除く。厄介な作業だったが、黙々とこなしていたものである。

◆原料ゴムをきれいにしないと「配練」へ進めなかった

配練作業へ移行するのはそれから先の段階で、何よりもまず入荷してきた原料ゴムをきれいにするのが、不可欠かつきわめて重要な〝前工程〟だったのである。

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