終戦直後~名古屋ゴムの黎明期

■トヨタ「SA型」用ハンドルの開発=昭和22年(国華工業時代)

  1. 最初は尿素樹脂で成型したが、鉄芯が入っていると成型後にクラックが生じてしまう。塩ビを練り込んでも解決できない。
    「やはり熱可塑性の樹脂でなければ」…悩んでいた処へ酢酸繊維素樹脂の紹介があり、テストの結果、それを用いる流れとなった。
  2. SA型ハンドルはボス部が丸くて、アゴもサイズも大きい設計。ハンドプレスで成型したが、製品が大型なので、ハンドプレスに蒸気と水の双方を通すようにした。加熱・成型したのち、今度は水を通して冷却する。いまふり返れば、非能率で原始的な製法だった。

(蒸気加熱方式によるハンドル成型の悩みどころ)
得られる温度に限界があり、ペレットがうまく溶けて流れてくれない。表面が〝泡おこし〟のようになり易く、低融点の新材料が登場するまでは、塗装で何とか繕う方法を併用しながら生産したものである。

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