環境マネジメント

環境保全に努めるとともに、従業員一人ひとりが環境意識を持ち行動に移せるように、従業員への教育や啓発を続けています。
基本的な考え方
持続可能な環境活動のために、従業員の環境意識向上に向けた啓発や人材の育成に積極的に取り組んでいます。
連結環境マネジメントの強化推進
環境活動
当社グループ全体で環境管理を推進しています。環境データを国内関係会社は2001年度から、海外関係会社は2003年度から集計をスタート。その環境データ(CO2排出量、廃棄物量、水使用量、VOC排出量他)を基に毎年年度目標を設定し、低減活動を推進しています。
■環境管理対象(生産事業所)
豊田合成(株) | 国内グループ会社 |
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海外グループ会社 | |
■米州
■アジア
■中国
■欧州・アフリカ
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- ISO14001取得済 新会社、主力工場については稼働3年を目処にISO14001取得
海外関係会社の環境管理体制の整備
海外では2010年度から中国地区、2014年度からアジア地区、2015年度から米州地区と順次環境統括機能を設置し、管理体制の強化を行ってきました。2018年度は統括拠点との定期的なTV会議をタイの豊田合成アジア(株)とも開始し、情報共有とさらなる連携強化を図りました。
アジアで「環境統括定期連絡会」をスタート
2013年度から中国地区の豊田合成(中国)投資有限公司※2、 2016年から米州地区豊田合成ノースアメリカ(株)と実施してきた「環境統括定期連絡会」を新たにアジア地区の豊田合成アジア(株)とスタートさせました。エリア情報オープン化とタイムリーな収集、スタッフのレベルアップに向けた意見交換を主な狙いとして運営しています。
- ※2 2013年度当時は、豊田合成(上海)管理有限公司

環境監査
環境マネジメントシステムが適切に運用されているかを監査しています。
■ISO14001 環境監査
当社および国内外の関係会社は、環境マネジメントシステムであるISO14001を取得しています。内部環境監査は、監査の独立性・客観性を高めるために、監査対象事業所以外のメンバーで構成したチームで実施しています。また、(一財)日本品質保証機構(JQA)に外部環境審査を依頼し、環境マネジメントシステムがISO14001に従い、適切に運用されているかを確認しています。
■ISO取得生産事業所
豊田合成(株) | 7工場(2019年度) |
国内グループ会社 | 10社 |
海外グループ会社 | 米州:12社、アジア:7社、中国:6社、 欧州・アフリカ:3社 |
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外部環境審査/森町工場
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内部環境監査/TSオプト(株)
■海外環境監査
2018年度は、「TGグローバルEMS」に基づいた自主点検の実施と、重要拠点については当社による現地・現物による環境監査を行いました。
なお、指摘された改善点については、いずれも是正処置は完了しました。
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台裕橡膠工場股份有限公司
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豊田合成タイランド(株)
遵法/環境「異常・苦情ゼロ」活動
法令遵守はもちろん、環境異常・苦情を発生させないために、専門部署による定期的な環境点検を行い、維持管理に努めています。また、リスク対策として、環境保全ワーキンググループを開催するなど未然防止活動を行っています。さらに他社で発生した不具合事例を解析し、国内外関係会社を含め同類設備の点検などを行い、未然防止につなげています。
2019年度は、環境異常が3件発生(豊田合成:0件、国内:0件、海外:3件)しました。いずれも是正処置・グループ内への再発防止策の展開はすべて完了しました。
PCB含有機器の適正処分と保管
有害で難分解性のPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は、2027年3月末までに処理しなければならないことが法律で定められています。当社では2006年度から社外委託処理を開始し、適正に進めています。2018年度までに848台の処理を完了しました。
未処理の低濃度PCB廃棄物も、早期に処理を進めていきます。完了するまでの間は、流出や土壌汚染の恐れがないよう、PCB特別措置法に基づく適正な管理を行っています。
区 分 | 種 類 | 処理台数 | 処理重量 |
---|---|---|---|
高濃度PCB廃棄物 (PCB濃度:5,000mg/kg超) |
安定器・ 電力コンデンサなど |
795台 | 6.8t |
低濃度PCB廃棄物 (PCB濃度:0.5~5,000mg/kg) |
変圧器・ 電力コンデンサなど |
53台 | 73.9t |
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PCB廃棄物の処理
土壌・地下水の保全
過去に洗浄剤で使用していたトリクロロエチレンなどの有害物質による地下水汚染の監視と浄化に取り組んでいます。また、観測井戸を各工場に設置し、有害物質や油脂類による土壌・地下水の汚染がないことを定期的に確認しています。
事業所 | 対象 | 対策状況 |
---|---|---|
春日工場 | 地下水 | 浄化中 (敷地外からの汚染の可能性もあるが積極的に浄化) |
稲沢工場 | 地下水 | 過去、使用実績のない物質が検出されたことから、 測定結果のみ定期的に行政へ報告 ※2010年以降は、基準未満(2012年度で行政報告終了) |
グローバル教育・啓発活動の一層の強化
環境教育
自然破壊や環境汚染などの問題をはじめ、生産活動に伴う環境への影響、環境法令の遵守などに関する従業員教育を行っています。内容は、毎年、法律の動向を踏まえ、理解と実践に重点を置き、事例などを取り入れた具体的で分かりやすい教材にしています。
■環境教育体系
階層別教育

ISO教育

■環境スタッフのスキルアップ教育
TGグローバルEMSや月次報告などを通して、環境負荷低減の着眼点や事例の共有、環境管理業務に関する知識向上を図るために、環境スキルアップ教育を行っています。
2018年度は、5月に、統括拠点の豊田合成(上海)投資有限公司(中国)、豊田合成ノースアメリカ(株)(米州)の環境マネージャーに対して、中期CO2低減目標の共有と環境スキルアップ教育を実施しました。また、10月には毎年開催している中国の環境スタッフ会議「中国環境部会」に参画し、環境異常の撲滅に向けた順法管理について教育を実施しました。今後も環境統括拠点のスタッフを中心に環境教育を推進していきます。
低減事例の現地見学(稲沢工場)
中国環境部会
環境意識を高めるための啓発活動
環境保全活動を継続的に実施していくために、従業員一人ひとりが環境意識を持ち、行動に移せるように、環境月間時の行事や定期的な環境講演会などの実施を通して、従業員の環境意識向上を図っています。
また、従業員の環境意識を把握するために、毎年全従業員を対象としたアンケートを実施し、その結果をもとに啓発活動へつなげています。
環境展示会を開催(環境月間)
環境保全活動の促進をねらいに、環境展示会を開催しています。2018年度は、生産設備や工程のコンパクト化・省エネ化に向けた生産技術の開発や工場での改善やリサイクルしやすい製品設計による廃棄物の低減など国内外の事例に加え、自然共生活動の必要性と当社グループの活動や2050年度に目指す姿を動画やパネルで紹介しました。また、今年度は「もったいないを考えよう」をテーマに、生産現場に加え、事務・技術も含めて、エネルギー・資源・時間のムダを減らすことに取り組み、提出された約460件の改善提案も紹介しました。遠方の事業所に対しては、後日改めて、当日紹介した動画やパネルを持ち込み紹介する「出前環境展示会」を、要望のあった3工場(森町工場、北九州工場、福岡工場)で開催しました。
エコツアーを開催(環境月間)
従業員とご家族が環境について学んでもらうためのエコツアーを開催しています。2018年度は、自然と触れ合うなかで、身近なところから環境について考えるきっかけを作る場として、中部電力(株)の川越電力館テラ46を訪れ、限りあるエネルギー資源や環境について映像やシミュレーターで楽しみながら学んだほか、弥富野鳥園では、野生のサギやカルガモなどを観察をしました。
もったいない川柳(環境月間)
環境意識の向上を目的に、身の回りにあるエネルギーや資源、時間などについて、「もったいない」をテーマとした川柳を、TGグループ全従業員から募集しました。部門・会社ごとに選出された代表作品から、6名を「優秀賞」として表彰しました。また、応募作品については、社内向けのホームページへ掲載し、環境意識の向上につなげています。
賞 | 作品 |
---|---|
金賞 | 廃材を 出さない技術が 真工法 |
銀賞 | 分別は めんどくさいを 捨てること |
ペーパーレス これが噂の かみ対応 | |
銅賞 | とりあえず プリントアウト それアウト |
裏面 人はだめだが 紙はいい | |
特別賞 | 電気消し エアコン消して 姿消し |
環境講演会を開催
環境意識の向上と環境活動の促進を目的とした環境講演会を開催しています。2018年度は、世界の水資源の持続可能性に関する研究の第一人者である沖 大幹氏(東京大学総長特別参与)を講師にお招きし、世界的な水不足の実情や企業が水資源の保全などに取り組む必要性についてSDGsの目標※4と絡めて、さまざまな事例をご紹介いただきました。
- ※4 全ての人が平和と豊かさを享受できるようにするために、国際社会(全ての国連加盟国)が、2030年までに達成を目指す17のゴール・169のターゲット。
環境意識調査
当社の国内全従業員を対象に、環境動向や当社の環境活動への認知度や2018年度に実施してきた周知・取り組みが効果的であったかなどの確認をする第3回環境意識調査を行いました。昨年同様、従業員の世の中の環境問題への関心は高いものの、当社の環境活動に対する認知度は昨年より向上したが、まだ不十分で、一人ひとりの実践に結び付いていない傾向が見られました。アンケート結果を踏まえ、具体的な行動につながるような施策を実施していきます。


環境貢献表彰
環境意識の向上と環境活動の促進を目的に「環境貢献表彰制度」を設けています。当社の製造部門、技術・生産準備部門、工場・事業所部門と国内関係会社を対象に、環境活動で大きな成果をあげた会社や部門を表彰しました。
表彰名 | 部門・工場 | 受賞理由 | |
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環境 貢献賞 |
製造の部 | IE第2製造部 | 高効率冷凍機の活用など設備改善を推進し、全ての環境負荷低減目標を達成 |
技術の部 | SS技術部・SS開発部 | ハンドルの軽量化と振動抑制を両立するパッドダンパーの開発(車両の燃費性能向上に貢献) | |
生技の部 | 生産技術統括部 | パウチ塗料供給システムによる塗料段替ロス低減 | |
環境マネジメント賞 | 尾西工場 | 学び舎(常設体験コーナー)を活用した、従業員へ当社の環境目標、低減事例等の周知。「みどりの日」を通じて、近隣住民の方へ当社の環境活動をPR |
表彰名 | 会社 | 受賞理由 |
---|---|---|
環境優秀賞 | 一榮工業株式会社 | 全ての環境負荷低減目標を2年連続で大幅に達成。従業員への環境意識向上に向けた啓発活動を推進 |
環境優良賞 | 海洋ゴム株式会社 | 全ての環境負荷低減目標を達成であることに加え、NPOと協力して銚子川流域の環境保全活動にも積極的に参加し、自然共生活動を推進 |
ティージーオプシード株式会社 | 全ての環境負荷低減目標を達成であることに加え、従業員の環境意識調査を実施し、その結果に基づく独自の啓発活動を推進 |
会社駅伝大会に「環境ブース」出展
環境活動の重要性を理解してもらうために、社内の各種イベント開催に合わせて、環境活動を紹介する「環境ブース」を出展しています。2018年度は「人と自然との共生」をテーマとし、自然共生活動の必要性や当社グループが実施している自然共生活動(平和町工場調整池ビオトープ完成図、藤前干潟自然観察会、弥富野鳥園自然観察会など)をパネルで紹介しました。また、子供向けには外来種釣りを実施。生物のトランプを釣り上げてもらい外来種について学んで貰うイベントを全社駅伝大会で行いました。
グリーンカーテンコンテストを実施
従業員の環境意識の向上や夏場のエネルギー費用の低減を目的に、ゴーヤやキュウリを栽培して工場や自宅などの南面を覆うグリーンカーテンの設置を2013年度から行っています。2018年度も引き続き、グリーンカーテンのできばえを競う「グリーンカーテンコンテスト」を実施。「事業所の部」には19社24拠点、「個人の部」には18人の応募があり、国内:2事業所、海外:1事業所、個人:3人を表彰しました。