高分子って何?
多様な性質をもち、自由な形づくりが可能な高分子。
豊田合成では、高分子の持つさまざまな可能性を活かし、
幅広い製品開発をおこなっています。
- Q.
- 高分子とは?

- A.
- 小さな分子がたくさんつながった
「巨大な分子」のこと。
高分子とは、小さな分子がたくさんつながってできた、「大きな分子」のことです。イメージとしては、ビーズが連なったネックレスのようなものを想像すると分かりやすいでしょう。身近なものだと、プラスチックやゴム、繊維などが高分子でできています。
高分子は炭素を骨格とした「大きな分子」で、骨格内に炭素以外の分子(例えば窒素、フッ素など)を組み入れることで、あらゆる性質を持たせることが可能です。
高分子には、大きく分けて「天然のもの」と「人工的につくられたもの」があります。たとえば、私たちの体の中にあるタンパク質やDNA、植物の繊維を作るセルロースなどは天然の高分子です。一方、ペットボトルやレジ袋に使われるポリエチレン、衣服に使われるポリエステルなどは人工的に作られた高分子です。
高分子は、その性質によって柔らかかったり、丈夫だったり、熱に強かったりと、さまざまな特徴を持っています。この特徴を活かして、生活のあらゆる場面で使われています。
- Q.
- 高分子の強みは?

- A.
- 「多様な性質」と「自由な形づくり」です。
高分子の最大の強みは、その「多様な性質」と「自由な形づくり」ができることです。たとえば、プラスチックのように軽くて丈夫なものもあれば、ゴムのように柔らかくて弾力のあるもの、衣服に使われる繊維のようにしなやかなものまで、いろいろな特性を持つ高分子が存在します。これが、さまざまな場面で活用される理由です。
また、高分子は「サビない」「腐らない」といった特長もあります。金属のように錆びたり、木のように腐ったりしないため、長く使えるのもメリットのひとつです。さらに、加工しやすいという利点もあり、型に流し込んで自由な形のモノにしたり、薄く伸ばしフィルムにしたりすることも可能です。
身近な例でいうと、ペットボトルや食品の包装、スマートフォンのカバーなど、高分子はいたるところで活躍しています。軽くて丈夫なため、クルマや飛行機の部品にも使われ、燃費の向上にも貢献しています。このように、高分子は私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれる、頼れる素材なのです。
- Q.
-
豊田合成では、
どのように高分子を
活用しているの?
- A.
- エアバッグからラジエータグリル、水素タンクまで、幅広く活用しています。
このような特長を持つ高分子技術を駆使して、多岐にわたる分野で革新的な製品を生み出しています。

セーフティシステム製品
エアバッグなどのセーフティシステム製品は、豊田合成の主要製品の一つです。高分子材料を用いたエアバッグは、衝突時の衝撃を吸収し、乗員の安全を確保します。

内外装部品
耐久性のある樹脂材料を使用したラジエータグリルや、インストルメントパネルなど車両の性能向上軽量化とデザイン性の両立を実現しています。

高圧水素タンク
燃料電池車(FCEV)向けの高圧水素タンクは、特殊な分子構造を持つ樹脂容器材や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用しています。これにより、水素の透過を防ぎつつ、耐圧性と軽量化を両立しています。

e-Rubber(イーラバー)
豊田合成は、高分子に独自の機能を加えた技術を応用した新素材「e-Rubber(イーラバー)」を開発しています。この素材は、電圧を加えると伸縮する特性を持ち、触覚デバイスやソフトロボティクスなど、新たな分野での応用が期待されています。
- Q.
-
高分子に、
将来性はあるの?

- A.
-
むしろ、これからの社会にこそ
必要な存在が「高分子」です。
高分子材料は、これからの社会でますます重要な役割を果たすと期待されています。特に、高分子の一種である「バイオプラスチック」や「生分解性ポリマー」は、プラスチックごみ問題の解決策として注目されています。
医療分野では、体内で薬を放出する「スマートポリマー」や、人工臓器に使われる柔軟な高分子素材の研究が進んでいます。いずれも、これまでの医療分野では実現できなかった技術であり、大いに可能性を秘めています。
さらに、エレクトロニクス分野では、軽量で折り曲げ可能なディスプレイや、耐久性に優れたフィルム材料としての活用も広がっています。加えて、3Dプリンター向けの高機能ポリマー開発も進んでおり、製造業のデジタル化にも貢献しています。
このように、高分子は環境・医療・テクノロジーの分野で新たな可能性を広げ、私たちの生活をより便利で持続可能なものにしていくでしょう。
昨今の持続可能な社会に向け、リサイクル可能な高分子に期待が集められております。弊社は、リサイクルの難しいゴムの再生する技術を世界に先駆け保有しており、ゴムの廃棄物を減らし地球環境に貢献していきます。