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交通死亡事故の低減

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自動車の安全性能は日進月歩ですが、自動車の普及に対し交通インフラ整備が遅く、エアバッグ等の安全装備が普及していない地域では交通死亡者が増加傾向です。また交通インフラの整備が進み、安全装備が普及している先進国ですら交通死亡者ゼロには程遠く、近年グローバルの交通死亡者は約135万人で推移しています。私たちはこれからもさらに高性能な安全装置を追求、多くの地域で提供し、安心・安全な交通社会の実現に向けて貢献します。

01交通事故死傷者ゼロに向けたエアバッグ普及のために

世界保健機関(WHO)の報告によると近年世界中の交通死亡事故の被害者は毎年約135万人で推移しています。さらに2020~2030年の間に、交通死亡事故の被害者の合計は約1,300万人になると言われています。特に新興国では、交通インフラの整備状況の遅れ、2輪車の比率が高いことと並んで、自動車用エアバッグなどの安全装置の普及が進んでいないことが原因の一つだと考えられています。インド、東南アジア等の自動車市場の成長が大きい地域では、法規によるエアバッグの義務化やアセスメント強化によるエアバッグの装着率向上の取り組みが進み、これからエアバッグの需要が増えていきます。
 また欧米や日本等では徐々に交通死亡事故が減っていますが、ゼロになるにはまだ解決すべき課題が多く、今後エアバッグ等の安全装置の持続的な進化により、救える事故形態を増やしていきたいと考えています。
 さらにBEVや超小型モビリティなど、事故の際の乗員に与える衝撃や車体の変形の度合いが従来の自動車と異なる新たな乗り物が市場に現れたり、自動運転技術の進化により運転中のドライバーの行動や乗車姿勢がより自由になることも予想されており、それらに対する安全も考えていく必要があります。
 これらの市場動向や環境変化に対し、SS事業の成長戦略として、2本の柱を立てて取り組んでいます。

  • 1.生産能力の強化

    エアバッグの需要が増える地域の生産能力の強化

  • 2.さらなるSS製品の進化

    エアバッグの高性能化により従来のエアバッグで
    救えていない受傷形態をカバー
    環境の変化に対応した製品開発とそれを支える技術開発

地域別の交通死亡者数・交通死亡者状態別内訳(%)
市場の自動車生産台数とエアバック装着数当社予測

02生産能力の強化

2025年以降のエアバッグの装着数の増加に合わせて、中国、インド、東南アジアで生産能力の強化を進めています。 中国では華南地区に新工場を設立(2023年夏頃稼動開始)、SS 初の「TG 先進工場コンセプト」の考え方を取り入れた工場となり、効率的なモノづくりの追求、IoT やAIの活用により生産状況がリアルタイムにどこからでも把握できます。
また自働化を進めることで、増える需要に対する生産能力を十分に確保しています。
次に政府の方針で6エアバッグ(運転席、助手席、左右サイド&カーテンエアバッグ)の装着が義務化されることが予想されるインドでは、現在の5倍以上の成長を予測しており、キャパシティ、コスト競争力確保のためにインフレータサプライヤーと足並みを揃えた現調化を進めています。
東南アジアでもアセスメントで側突評価が導入され、エアバッグの需要が増えており、特に市場の成長が大きく、日系OEMのシェアも高いインドネシアで新工場を設立し、生産能力の強化を行いました。

中国華南地区新工場

03さらなるセーフティシステム製品の進化

先進国の交通死亡事故の被害者の推移を見ると全体的には減少傾向となっています。自動車の衝突安全ボディやエアバッグ等の安全装置の進化が要因の一つです。今後自動ブレーキや自動運転が進化し、事故そのものを予防できる時代の到来が期待されますが、もう少し時間が必要だと言われています。そこで万が一交通事故が発生した際に乗員や歩行者などを保護するエアバッグ等の安全装置の持続的な進化が必要です。
2020年、当社は横からの衝突事故の際に乗員が反対側に飛ばされることによる受傷を防ぐファーサイドエアバッグを量産化、その後も開発を継続し、多くの自動車メーカーに高い評価をいただいています。また新開発のファーサイドエアバッグは新たに厳格化されたアセスメントにも対応しています。
今後主流になるBEVでは車体構造の変化により、交通事故の際に衝突時の乗員に対する衝撃が厳しくなる場合があり、衝撃吸収性の高い安全装置が求められます。
また、今後先進的な意匠や乗車姿勢の変化が予想されており、それらに合わせたエアバッグ等の安全装置の進化が必要です。
これらの開発を支える技術として強みとなるのがコンピューターによる解析技術になります。様々な車両や人体をコンピューター上で再現し、さらにそれらを用いて事故を再現することで、車両の壊れ方や人体の受傷の仕方を予測し、それを新製品の開発にフィードバックします。また医療機関や大学ともつながりを持ち、人体耐性の再現度を向上させ、解析の精度を高めています。 この技術により、エアバッグ単体だけでなく車両全体をシステムで解析することができ、車体やシートベルトも組み合わせた保護性能向上の提案が可能になります。
また、下肢の不自由なドライバー向けにハンドルの操作だけで車両の進行を可能にするアクセルレバー付きハンドルを開発するなど、社会課題にも向き合っています。

製品開発ロードマップ
製品開発を支える解析技術
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