サステナビリティ

取締役・執行役員、環境部担当本部長、生産本部長、安全健康推進部担当本部長 安田 洋
取締役・執行役員、
環境部担当本部長、生産本部長、
安全健康推進部担当本部長
安田 洋
みどりあふれる豊かな地球を子どもたちに残すため、全ての活動を通じて、地球環境保全に貢献。
みどりあふれる豊かな地球を子どもたちに残すため、全ての活動を通じて、地球環境保全に貢献。

私たちは、地球から水・食料・衣料やゴム・樹脂・金属などの原材料をはじめ、多くの資源を得ています。その一方で、日常生活や事業活動を通じ、温室効果ガスの排出、資源の使いすぎによる枯渇などのダメージを地球に与えています。

当社は、長期ビジョン「TG2050環境チャレンジ」のもと、5年ごとのアクションプランを策定し環境保全活動を推進しており、これらは新聞社によるランキングなど社外から高い評価をいただいています。私たちは、社会の期待に応える環境経営を実現していくため、昨年、TCFDの提言に賛同し関連情報の開示を進めています。今後も、企業風土や人づくりにも積極的に取り組みながら、持続可能な環境保全活動のさらなる強化に努めてまいります。

全ての事業活動を通じて環境保全に貢献

基本的な考え方

豊田合成グループは、「環境基本方針」のもと、1993年に第1次環境取り組みプランを策定し、環境課題に積極的に取り組んできました。2016年2月には、長期目標「TG2050環境チャレンジ」を発表するとともに、2020年度までの5年間の活動項目と目標を設定した「第6次環境取り組みプラン」を策定し、環境保全活動を推進しています。

社会の期待に応える環境経営を実現していくために、米州、中国、アジア地区に環境統括機能を置き、世界を4極でエリア管理するグローバル体制を整備しています。今後、環境チャレンジの中間地点である2030年を見据え、グループ一丸となって、活動を着実に進めていきます。

環境基本方針

1.環境に配慮した事業活動の推進

開発・生産・販売の事業活動から廃棄までの全ての段階で、環境と深く関連していることを認識し、社内全部門はもとより、国内外関係会社、仕入先を含めた豊田合成グループとして、顧客・行政などとも協力・連携し、環境に配慮した事業活動を行う。

2. 企業市民としての取り組み

良き企業市民として、地域・社会の環境活動に取り組むとともに、各団体の環境活動への参加、支援・協力を行う。また、社員一人ひとりが地域・社会の一員として環境活動に取り組むための啓発を行うとともに、社会貢献・ボランティア活動を支援する。

3.こうした活動の情報を広く発信するとともに、各層からの意見を聴取し、さらなる改善活動に努める。

TG2050環境チャレンジ ~みどりあふれる、豊かな地球を未来と子どもたちに~

ゴム・樹脂の高分子分野の専門メーカーである当社が象徴としている六角形の「ベンゼン環」(高分子の原点となる構造体)にちなんだ「6つのチャレンジ」を掲げ、2050年を見据えた長期的視点で環境保全活動を推進していきます。

TG2050環境チャレンジ(6つのチャレンジ)
TG2050環境チャレンジ(6つのチャレンジ)
TCFDの提言に賛同

当社グループは、2019年5月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明し、TG2050環境チャレンジで掲げる「脱炭素社会の実現」に向けた施策とともに、関連情報の開示を積極的に推進しています。2020年4月には、2030年までのCO2排出量目標を公表し、取り組みを加速させています。

現在までの取り組み
現在までの取り組み
  • ※1 化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則(Registration, Evaluation,Authorization and Restriction of Chemicals )
  • ※2 環境負荷物質(Substances of Concern )
  • ※3 揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)
  • ※4 環境汚染物質排出・移動登録制度( Pollutant Release and Transfer Register)
  • ※5 ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)
推進組織

環境に関する中長期方針や重要な取り組み事項は、社長を委員長とする「環境委員会」で審議・決定しています。「環境委員会」の下部組織は、製品・生産・品質の分野で構成される4つの分科会があります。さらに、分科会の下部組織には、エネルギー使用量・廃棄物量・VOC排出量の低減や環境保全活動などを推進するワーキンググループを設置し、専門的な視点から環境保全や管理を行っています。

また、国内外の関係会社との情報共有の場として連絡会を設けています。2019年からは生産技術と現場のモノづくりの連携を強め(合同生産環境部会を新設)省エネ活動を進めています。

■環境組織体制図
環境組織体制図
気候変動・資源枯渇に関する「リスク」と「機会」

気候変動・資源枯渇に関する「リスク」と「機会」を重要な経営課題と認識しています。異常気象の深刻化や降雨パターンの変動、渇水や洪水による経済、生産活動への影響など、財務的かつ社会全体やサプライヤーへのリスクに対し、法規制や動向を踏まえ、グローバルな視点で対応強化を図っています。

リスク 機 会
気候変動 炭素税やエネルギー価格の
高騰によるコスト増加
軽量化、次世代カー製品開発
省エネ促進によるコスト低減
資源枯渇 水不足、水害による
生産活動への影響
水の再利用、使用量削減による
コスト低減
材料調達難、材料価格の
高騰によるコスト増加
リサイクル技術、材料使用量の
減少によるコスト低減
マネジメント
(法規制順守)
法違反などの環境問題、
環境保全に対する
取り組み不足から生じる
企業の信頼失墜
環境活動の強化による
ブランド力の向上
事業活動における資源投入と環境排出

エネルギー、材料などの投入資源を少なくし、製品としてのアウトプットの極大化を図るために、製品開発力、工法開発力、現場の改善力を活かし、事業活動を通じた改善に取り組んでいます。

また、投入資源も、環境に配慮した材料、クリーンエネルギーを活用しています。

事業活動における資源投入と環境排出
バリューチェーンにおける環境負荷

地球環境保全の観点から、自社の事業活動におけるGHG排出量(Scope1※12、Scope2※13)だけでなく、原材料の採掘、製品の使用、廃棄なども含んだバリューチェーン全体の排出量(Scope3※14)も把握し公開しています。なお、Scope3の算出方法、データ収集の見直しなど、より正確なものとするための精度向上を図っています。

  • ※12 企業自身が直接排出した温室効果ガス排出量(化石燃料・天然ガスなど)
  • ※13 間接的に排出した温室効果ガス排出量(購入電力など)
  • ※14 企業が間接的に排出するサプライチェーンでの温室効果ガス排出量
    (原材料製造、輸送、出張、通勤など)

■スコープ別 CO2排出量

スコープ別 CO2排出量
環境コスト

事業活動において環境保全にかかったコストを正しく把握し、適切な環境保全活動を行っていきます。

2019年度の環境コストは、研究開発、事業エリア内(高天井照明のLED化、リサイクル、温室効果ガス低減)、社会活動(工場の森づくり)に重点を置いています。経済効果としては、廃棄物低減に向けた発生源対策や廃材のリサイクルなどにより、廃棄物処理費用を低減できたほか、現場における日常改善の徹底、ユーティリティ設備の効率化などで電力費用の低減を実現しています。

■環境コスト

(単位: 億円)

コスト分類 豊田合成(株) 国内関係会社合計
研究開発コスト※15 14.4 0
事業エリア内コスト※16 21.4 3.1
管理活動コスト※17 2.0 0.4
社会活動コスト※18 0.7 0.03
環境損傷対応コスト※19 0.2 0
合計 38.7 3.5
  • ※15 環境負荷低減に資する製品の研究開発に要したコスト
  • ※16 公害防止、省エネ、廃棄物処理など生産で生じる環境負荷低減に要したコスト
  • ※17 教育、環境マネジメントシステム維持、測定等管理に要したコスト
  • ※18 緑化、美化など社会的取り組みに関するコスト
  • ※19 企業などの事業活動が環境に与える損傷に対応して生じたコスト
環境コスト
■経済効果※20

(単位: 億円)

項目 豊田合成(株) 国内関係会社合計
エネルギー費用 1.7 0.3
廃棄物処理費用 2.4 0.1
合計 4.1 0.4
  • ※20 効果の算出は確実な根拠に基づき把握が可能なものについての効果集計分
経済効果

■物量効果※21

項目 効果
温暖化防止(CO2削減量) 5,904t-CO2
廃棄物低減(廃棄物削減量) 1,167t
遵法活動
  • ※21 物量効果は、豊田合成(株)のみで算出
環境データ