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#02組織の中でどれだけ個性を発揮できるか

会社の資源とは何だろうか。社屋や工場などの建物、工場の設備、資材だけが資源ではない。それだけがあっても会社は成り立たない。良い物を安くとよくいうが、そんなに簡単じゃない。世界中の企業が取り組んでいることだから。最も企業にとって大切なものは『人』。

組織の中での存在理由

会社を構成する人そのものが良い物を安く作り出す。企業=人であり、人が組織を形作り、事業を動かす原動力となる。人こそが企業における最大の資源なのだ。人間一人ひとりができる仕事には限界があるが、集団となり組織力を出し切った時に世界で一番良い物を安く提供できるのだ。我々製造業は日々組織の力をいかに高められるかと鎬を削っている。会社で働く社員(個人)にとって大切なのは、組織が抱く価値観を理解した上で、いかに自らの存在理由をしっかり認識できるか。そして、その組織力を生かし、いかに自己の力を発揮できるかだ。そう考えると就職活動は、まず営業や設計、開発、生産技術などの職種・仕事を決めるのも重要だが、加えて会社選びも大切なことだと理解できるだろう。

共感できる企業を探す

つまり、文字通りの「就職」(仕事に就くこと)というよりも、「就社」のほうがニュアンスとしてはあっているのだろう。これから皆さんが取り組まなければならない行動(いわゆる就職活動)は自分が活躍できる場を探すこと。自分が共感できる企業を選び、企業の中で自分がどんな仕事に関わり、自らの能力や個性をいかに発揮できるかを考えていくのが就職活動の基本だろう。もちろん誰にとっても、会社選びを成功させることは容易ではない。入社後の3年以内に、3割の人が辞めているというデータもある。

「入社してみたら、入社前に持っていた印象と全く違った…」。そんな悲しい結果にならないために、「就社」と「就職」の意味を自覚し、真剣に自分に合った会社を見つけてほしいのだ。