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  3. 再生PET繊維を使用したエンジンルーム内用吸音材を実用化

1997年12月16日

自動車用高機能部品へのリサイクルをめざして

再生PET繊維を使用したエンジンルーム内用吸音材を実用化

 当社は、カネボウ合繊(多湖隆司社長)と共同で、再生PET(ポリエステル)繊維を使用し、リサイクル性を向上させたエンジンルーム内用吸音材を新開発し、製品への適用を開始した。
 車外騒音規制の強化にともない、今後、エンジンルーム内の吸音材の使用が増加すると思われるが、従来シュレッダダストとして処理されていたグラスウールなどの難リサイクル性吸音材に代わるものとして適用の拡大をはかる。



1.開発技術の特徴

 リサイクルが容易で、高い吸音性能とエンジンルーム内に使用可能な耐熱性能等の物性を確保するためにPET(ポリエステル)繊維による不織布を活用した吸音材を開発した。

主な特徴

吸音性能に大きく寄与する要因である (1)繊維径、(2)製品厚み、(3)密度を与えられたスペースに応じ最適に設計する ことができる。
PETボトルやフィルム等のリサイクルによる 再生PET繊維を20~40%使用 している。
エンジンルーム内の限られたスペースでの使用性を高めるため、3次元形状の賦型成形が可能 になった。



2.従来品との比較

 現在多く使用されているグラスウール、フェルトに比較し、吸音性能は同等以上で重量は35%の軽量化が可能。
 また、リサイクルが容易なため廃車時のシュレッダダストの減量化 を可能にする。

 

比較項目

グラス
ウール

フェルト

PET

吸音性能

重量

リサイクル性

×

×

チクチク感

×

耐熱性

成型の自由度

×

×

対オイル・ガソリン性


   ※同一重量比

3.適用製品例

エンジンカバーサイレンサ ・・・・ エンジンのシリンダーヘッドカバーの上に装着して意匠性と遮音性の確保を目的としたエンジンカバーの裏面に装着し、エンジンの音を直接吸収する。優れた吸音性能と高い耐熱性能が要求される。
アンダーカバーサイレンサ ・・・・ エンジンルーム内の騒音の主な流出経路である車両底部を覆うカバー。 
大型化して密閉度を上げれば遮音性は向上するが、熱の逃げ場が減り弊害がでるため、高性能吸音材によるカバーの小型化が求められている。

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