成長戦略
2030事業計画の目指す姿
高分子の可能性を追求し、
より良い移動と暮らしを
未来につなぐ会社
コア技術である、ゴム・樹脂の高分子技術を用いた自動車部品を主軸に、
多様な製品・価値提供をすることで社会のニーズに応えてまいります。
2030年度経営目標
モビリティ社会の変化(策定の背景)
豊田合成が価値を提供
当社は、2030年のモビリティ社会において「資源循環の加速」、「クリーンエネルギーの普及」、「移動空間からくつろぎ空間へ」、「新モビリティと人の共存」の4つの変化が起きていると考えています。それらの変化に対し、当社は「安心・安全」、「快適」、「脱炭素」の3つの提供価値を高め、社会への貢献を目指していきます。
提供価値の取り組み
モビリティ
重点事業(SS・IE)、重点地域(北米・インド)が連携してさらなる成長を実現
当社は2030年のモビリティ社会に向けて、社会的価値と経済的価値を両立させる成長分野へのリソーセスシフトを促進します。特に、事業ではセーフティシステム・内外装、地域では北米・インドに注力していきます。
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安心・安全への貢献
これまで様々なエアバッグを提供することで、自動車事故による死傷者の低減に貢献してきました。今後も既存のシートベルトやエアバッグを進化させるだけでなく、自動運転時に必要となるHMI機能を持つ次世代ハンドルや乗車姿勢の自由度を高めるラップエアバッグ等の新製品を開発していきます。
さらに電動キックボード等の新モビリティや歩行中の転倒事故等に対応した安全デバイス等、自動車以外の路上安全に関わる社会課題解決に向けた開発も推進していきます。
快適への貢献
内外装部品にセーフティシステム・イルミ製品を組み合わせ、他車・歩行者とのコミュニケーションや自動車運転中の居住空間づくりといった、BEVらしい新機能を提供していきます。さらに、高分子の技術を活かした製品の樹脂化を図ることで、航続距離延長に貢献する軽量化も進めていきます。
熱マネジメントへの貢献
エンジン車で提供している燃料系部品やエンジン周辺部品の知見を活かし、電気自動車(BEV)では冷却配管やバッテリーケースなどの熱をマネジメントする製品の提供を行い、モビリティの変化に柔軟に対応していきます。
静粛性・ゴム再生への貢献
クルマが様変わりしても、ドアや窓枠などに装着し雨風・騒音から室内を守ってくれるウェザストリップ製品。走行時の快適性にも貢献し、振動や透過音などの外部からの騒音を遮断することができます。また、リサイクルの難しいゴム製品を、独自の脱硫再生技術によって再利用可能とするなど、脱炭素社会の実現にも貢献しています。
当社の北米事業における売上の約4割を占める内外装部品。今後カーメーカーが投入する電気自動車(BEV)など多種多様なクルマの進展を見据え、幅広いバリエーションの製品を供給できる体制を整えるため、子会社であるTGミズーリ株式会社とTGケンタッキー有限責任会社の工場建屋を拡張します(稼働時期2025年12月を予定)。
インドでは従来から前面衝突に対応したエアバッグ(運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ)の装着が増えており、今後も販売拡大が見込まれます。加えて、側面衝突に対応したエアバッグ(サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ)の新車への装着増加が見込まれており、生産台数以上の成長を目指していきます。
脱炭素
世界各地で深刻化する気候変動リスク解決に向けて、2050年実現を目標としていたカーボンニュートラルを、2030年実現へと大幅に前倒ししました。日常的な改善はもとより、生産技術の革新や再生可能エネルギーの活用により、カーボンニュートラルの実現を目指しています。
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ホットスタンプ工法
熱と圧力で製品に箔を転写し、金属調の質感を付与する技術で、フロントグリルの突起部など、表面積が狭い箇所へのスポット加飾が可能です。樹脂材料の知見を活かし、箔の保護層に高耐候性樹脂を適用、さらに厚膜化することで、従来必要であったトップコート層が不要となり、工程を省くことで生産時のCO2を2割削減できます。
ゴム製品生産工程の蒸気使用量を低減
ゴム製の自動車用ホースは、弾性を持たせるために、成形後に高温の蒸気で満たした大型の缶に入れて加熱します。その際、所定の温度まで上昇させるために大量の蒸気が必要となり、蒸気を作り出す過程でガスを大量に消費していました。そこで、缶内の空気を蒸気に入れ替えるプロセスで効率的に空気を排出する技術を開発。入れ替え時に必要な蒸気使用量(CO2排出量)を従来から半減させました。