グループ総力を挙げカーボンニュートラル・
サーキュラーエコノミーに挑戦
地球温暖化や、大量生産・廃棄による資源枯渇、廃棄物問題は世界共通の課題になっています。豊田合成では“みどりあふれる、豊かな地球を未来と子どもたちに”をスローガンに、強みであるゴム・樹脂の高分子技術を生産と製品の両面で、最大限に活用して、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの早期実現に向け、グループ一丸となって取り組みを加速しています。
全ての事業活動を通じて環境保全に貢献
基本的な考え方
当社は、「環境基本方針」のもと、1993年に第1次環境取組みプランを策定し、環境課題の解決に向け取り組んできました。2016年2月には、長期目標「TG2050環境チャレンジ」を発表するとともに、マイルストーンとして2030年までの目標を設定、さらに5年間の活動項目と目標を設定した取組みプランを策定し、環境保全活動を推進しています。
グローバルでは、日本をはじめ、米州、中国、東南アジア、インド地区に環境統括機能を置き、欧州・南アフリカを含め世界5極でエリア管理しながらグループ一丸となって取り組みを推進しています。また、行政・顧客・サプライヤーとも連携して取り組みを進めています。
1.環境に配慮した事業活動の推進
開発・生産・販売の事業活動から廃棄までの全ての段階で、環境と深く関連していることを認識し、社内全部門はもとより、国内外関係会社、仕入先を含めた豊田合成グループとして、顧客・行政などとも協力・連携し、環境に配慮した事業活動を行う。
2.企業市民としての取り組み
良き企業市民として、地域・社会の環境活動に取り組むとともに、各団体の環境活動への参加、支援・協力を行う。また、社員一人ひとりが地域・社会の一員として環境活動に取り組むための啓発を行うとともに、社会貢献・ボランティア活動を支援する。
3.こうした活動の情報を広く発信するとともに、各層からの意見を聴取し、さらなる改善活動に努める。
TG2050環境チャレンジ
ゴム・樹脂の高分子分野の専門メーカーである当社が象徴としている六角形の「ベンゼン環」(高分子の原点となる構造体)にちなんだ「6つのチャレンジ」を掲げ、2050年を見据えた長期的視点で環境保全活動を推進しています。
その実現に向けたロードマップとして、5カ年計画である環境取組みプランを策定して活動しています。
また、2023年8月に、気候変動問題への対応を強化するためカーボンニュートラル(Scope 1, 2)の実現時期を2050年から2030年に前倒しすることを宣言しています。
TG2050環境チャレンジ(6つのチャレンジ)
TG2050環境チャレンジに向けた中長期シナリオ
推進組織
環境に関する中長期方針や重要な取り組み事項は、社長を委員長とする「カーボンニュートラル・環境委員会」で審議・決定しています。委員会の下部組織は、製品・生産・品質の分野で構成される3つの分科会があります。さらに、生産分野では、モノづくり全体からの環境活動の強化を図るために生産環境部会を設置しています。分科会の下部組織には、エネルギー使用量・廃棄物量の低減や環境保全活動などを推進するワーキンググループを設置し、専門的な視点から環境保全や管理を行っています。また、国内外のグループ会社との情報共有の場として連絡会を設けています。2021年度からは、社長をトップに、社外取締役をアドバイザー、関係部門の部門長をメンバーとするカーボンニュートラル促進プロジェクトを立ち上げ、製品ライフサイクル全体での取り組みを加速させています。
■環境組織体制図
カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー戦略材料設計モノづくり回収・再生
製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの戦略を立て取り組みを進めています。Sustainable Materials【材料】、Sustainable Design【設計】、Zero Emission Challenge【モノづくり】、Resource Circulation【回収・再生】を目指す姿とし、4つの切り口で具体的な内容に落とし込み、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現を目指しながら、ビジネスにつなげていきます。
【材料】安定供給も考えた再生材調達やバイオ材の利用拡大などを図っていきます。
【設計】軽量化設計をはじめとして、易解体設計、コンパクト設計などを図っていきます。
【モノづくり】日常改善はもとより、工程のコンパクト化・熱エネルギー低減など革新工程の導入や水素利活用の検討も進めていきます。
【回収・再生】工場内の廃棄物の極小化を計画的に進めるとともに、市場からの部品回収のシステム構築なども進めていきます。
■カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー戦略
事業活動における資源投入と環境排出
エネルギー、材料などの投入資源を少なくし、製品としてのアウトプットの極大化を図るために、製品開発力、工法開発力、現場の改善力を活かし、事業活動を通じた改善に取り組んでいます。
また、投入資源も、環境に配慮した材料、クリーンエネルギーを活用しています。
環境コスト
事業活動において環境保全にかかったコストを正しく把握し、適切な環境保全活動を行っていきます。
2022年度の環境コストは、研究開発、事業エリア内(高天井照明のLED化、リサイクル、温室効果ガス低減)、社会活動(工場の森づくり)に重点を置いています。経済効果としては、廃棄物低減に向けた発生源対策や廃材のリサイクルなどにより、廃棄物処理費用を低減できたほか、現場における日常改善の徹底、ユーティリティ設備の効率化などで電力費用の低減を実現しています。また、設備更新にあたっては、インターナルカーボンプライシング(ICP)を導入し、より脱炭素社会への促進を図ることができるようにしています。
■環境コスト
(単位: 億円)
コスト分類 | 豊田合成(株) | 国内関係会社合計 |
---|---|---|
研究開発コスト※7 | 16.5 | 0 |
事業エリア内コスト※8 | 26.9 | 3 |
管理活動コスト※9 | 1.6 | 0.3 |
社会活動コスト※10 | 1.8 | 0.1 |
環境損傷対応コスト※11 | 0.2 | 0 |
合計 | 47.0 | 3.4 |
- ※7 環境負荷低減に資する製品の研究開発に要したコスト
- ※8 公害防止、省エネ、廃棄物処理など生産で生じる環境負荷低減に要したコスト
- ※9 教育、環境マネジメントシステム維持、測定等管理に要したコスト
- ※10 緑化、美化など社会的取り組みに関するコスト
- ※11 企業などの事業活動が環境に与える損傷に対応して生じたコスト
■経済効果※12
(単位: 億円)
項目 | 豊田合成(株) | 国内関係会社合計 |
---|---|---|
エネルギー費用 | 3.6 | 1 |
廃棄物処理費用 | 1.2 | 0.3 |
合計 | 4.8 | 1.3 |
- ※12 効果の算出は確実な根拠に基づき把握が可能なものについての効果集計分
■物量効果※13
項目 | 効果 |
---|---|
温暖化防止(CO2削減量) | 7,527t-CO2 |
廃棄物低減(廃棄物削減量) | 413t |
順法活動 |
- ※13 物量効果は、豊田合成(株)のみで算出