豊田合成株式会社 豊田合成株式会社

取り組み事例

脱炭素社会への取り組み

製品開発段階:環境に配慮した製品開発
  • 材料
  • 設計
事例

商用車向けの大型高圧水素タンクを市場投入

水素で走る燃料電池トラック向けにニーズ拡大が見込まれる大型の高圧水素タンクを市場投入しました。輸送用トラックなどの商用車は走行距離が長く、一日に複数回の配送業務を行うことから、長い航続距離や短時間での充填が求められます。これらのニーズを満たす燃料電池トラックの普及が期待されており、当社は今後も、燃料電池車の基幹部品である水素タンクの開発・生産を通じ、水素社会の実現に貢献しています。

大型高圧水素タンク

大型高圧水素タンク

CJPTの量販燃料電池小型トラック

CJPTの量販燃料電池小型トラック

水素社会の実現に向けた当社の取り組み

水素社会の実現に向けた当社の取り組み

LEXUSの環境配慮型オフロード車に豊田合成の製品・技術が採用

高圧水素タンクと樹脂リサイクル技術が、Lexus International(以下、LEXUS)が開始するLEXUS初の水素エンジンを搭載したROV※1に採用されました。水素を密閉する高気密性と効率的に貯蔵する高耐圧性を備えています。また、廃車部品を車に再利用する「水平リサイクル」の実現に向け、外装の樹脂部品には廃車のバンパーの再生材を使用しています。品質基準が高い自動車部品へのリサイクル材の適用にあたっては、再生材の強度をバイオ素材(鋼鉄の5倍の強度を持つセルロースナノファイバー:CNF)で高める当社の材料技術を活用しています。

  • ※1 Recreational Off highway Vehicleの略
LEXUSの環境配慮型オフロード車に豊田合成の製品・技術が採用

豊田合成の環境技術を用いた製品が新型クラウンセダンに採用

「高圧水素タンク」と「トップコートレスホットスタンプグリル」が、トヨタ自動車株式会社の新型クラウンセダンに採用されました。クラウンセダンの燃料電池自動車(FCEV)モデルは、燃料である水素の貯蔵のための高圧水素タンクを搭載し、車両後部には当社のタンクが使用されています。フロントグリルは、ホットスタンプ※2による金属調のスポット加飾が特徴です。当社のトップコートレスホットスタンプ技術により生産時のCO2排出量を2割削減しているほか、精密加工技術により面が大きく湾曲した部位へのホットスタンプを実現しています。

  • ※2 ホットスタンプとは熱で製品に箔を転写し金属調の質感を付与する技術で、突起部など表面積が狭い箇所へのスポット加飾が可能
LEXUSの環境配慮型オフロード車に豊田合成の製品・技術が採用

自動車部品向け「CNF強化プラスチック」を実用化

車の内外装部品向けに開発した「CNF※3強化プラスチック」を用いて軽量化した製品運搬コンテナを作製しました。CNFはプラスチックなどに配合して補強材として使用すると、製品の「軽量化」や「自動車部品へのリサイクル」を可能にし、脱炭素・循環型社会を目指す上で有効な素材です。

今回、工程内で使用済のポリプロピレン製コンテナのリサイクル材にCNFを配合し、6%軽量化したコンテナを作製※4しました。従来のコンテナに比べ、ライフサイクル全体で6%のCO2削減※4を見込んでいます。

  • ※3 セルロースナノファイバー。植物を原料とし、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つ
  • ※4 試算条件:4年間の製品輸送を前提
自動車部品向け「CNF強化プラスチック」を実用化
生産段階:新工法開発、日常改善などによる低減
  • モノづくり
事例

豊田合成と豊田中央研究所、ゴム製品の生産工程の蒸気使用量を低減する技術を共同開発

株式会社豊田中央研究所と、ゴム製品の生産工程におけるエネルギー使用量を低減する新技術を共同開発しました。ゴム製の自動車用ホースは、弾性を持たせるため、成形後に高温の蒸気で満たした大型の缶に入れて加熱します。その際、所定の温度まで上昇させるのに大量の蒸気を使用しており、蒸気を作り出すために使用するガスを大量に消費していました。豊田合成は蒸気の使用量を減らすため、缶内の空気を蒸気に入れ替えるプロセスに着目、内部の気流や熱分布を高い精度で解析できる豊田中央研究所のシミュレーション技術を活用し、入れ替え時に必要な蒸気量を従来から半減させる技術(特許共同出願中)を開発しました。この省エネ技術は、豊田合成の森町工場(静岡県周智郡)で活用しており、年間110トンのCO2削減につながります。今後、国内外において、ゴム製品の生産工程への適用拡大をおこなっていきます。

蒸気で加熱する大型の缶(奥)とゴムホース(手前)

蒸気で加熱する大型の缶(奥)とゴムホース(手前)

豊田合成記念体育館「エントリオ」の電力に再エネを導入

豊田合成記念体育館(同県稲沢市)でスポーツ試合やイベント運営などに使用する電力を再生可能エネルギー※5(以下、再エネ)に切り替えました。これにより23年度のCO2排出量を前年度比で約180トン削減します。

当社は、2023年8月に新たに掲げた目標である2030年のカーボンニュートラル実現に向け、「生産技術革新と継続的な日常改善による省エネ」と「電力の再エネへの転換」を進めています。再エネへの転換においては、自社での太陽光発電やグリーン電力・非化石証書※6などを最適に組み合わせて再エネの利用を拡大しています。

豊田合成記念体育館では、既設の太陽光パネルでの発電に加え、今回、愛知県内で発電された太陽光由来の環境価値であることを証明する「トラッキング付き非化石証書」を活用して、電力(年間400MWh)を再エネ化します。

  • ※5 太陽光、風力、バイオマスなど、自然を利用して作った電気のこと
  • ※6 「CO2を排出しない」という再エネが持つ価値(環境価値)を証書化したもの

<2030年までのCO2削減ロードマップイメージ(当初計画からの変更点)

2030年までのCO2削減ロードマップイメージ(当初計画からの変更点)>

<今回の再エネ導入の取り組み>

愛知県内の太陽光発電

愛知県内の太陽光発電

豊田合成記念体育館

豊田合成記念体育館

物流段階:積載効率の向上
  • 設計
  • モノづくり
事例

AIを活用したトラックの積載率向上で物流時のCO2排出量を低減

製品納入時の輸送効率を高めるため、トラックの積載量の算出をAIで自動化するシステムを開発し、当社のみよし物流センター(同県みよし市)で運用を開始しました。これにより、年間で約4,400便の運行本数の削減が可能となり、140トンのCO2削減につながる見込みです。

これにより、積載率の低い路線・便の抽出が容易になり、試験導入した一部の路線では、運行本数を1日15便から12便に減らすといった輸送効率の向上につながりました。無駄のない物流計画により、製品輸送時のCO2排出を減らせることに加え、社会課題となっているトラックドライバー不足の解消への効果も期待できます。

<輸送効率向上のための改善ポイント>

<輸送効率向上のための改善ポイント>

軽油代替燃料「リニューアブルディーゼル燃料」の実証実験に参加

グループ会社であるTGロジスティクス株式会社(本社:愛知県一宮市)において、トラックの軽油の代替燃料である「リニューアブルディーゼル燃料」(以下「RD燃料」)の有効性を確認する実証実験に参加しました。RD燃料は、廃食用油などから製造され、石油由来の燃料と比べてCO2排出を9割削減できます。使用時に排出されるCO2は、食用油などの原料の植物が成⾧する際に吸収した分だけで、大気中のCO2総量は増えない上に、車両や給油設備を変更せず導入できるため、輸送分野での更なる利用拡大が期待されています。

RD燃料専用トラック(11トン)

RD燃料専用トラック(11トン)

材料・部品調達段階:仕入先様との協働による低減
  • 材料
  • モノづくり
事例

「省エネ道場」の開設と仕入先様との事例の共有

生産工程の省エネ事例などを社内で共有し、エネルギーのムダをなくしていくための教育施設「省エネ道場」を美和技術センターに開設しました。仕入先様などとも好事例を共有し、サプライチェーン全体のCO2削減に向けた取り組みを推進していきます。当社は、工場の電力・熱などのエネルギー消費量を減らす「省エネ」(電力総使用量の低減)と、太陽光・風力発電といった「再生可能エネルギー導入率の向上」(電力源の切り替え)により、生産活動におけるカーボンニュートラルの実現を目指しています。

省エネ道場では、ヒートポンプの省エネ効果をヒーターとの比較で体感するコーナー、エアコンプレッサーから送られる空気の漏れや配管の⾧さなどによる動力損失の事例、当社がEサーモジェンテック社と共同開発中の設備の排熱を電力に変換できる「熱電発電」の新技術など、計15事例を紹介しています。

省エネ道場

省エネ道場

省エネ事例を学ぶ仕入先様

省エネ事例を学ぶ仕入先様

循環型社会への取り組み

生産段階での廃棄物の低減
  • モノづくり
  • 回収・再生
事例

エアバッグパッドの易解体(いかいたい)※7設計による廃棄物低減

従来、パッドと金属をリベットでかしめていたため、不具合時に製品の解体ができず、良品部材も含め全て廃棄物として処理していました。品質面を考慮しつつ固定方法を容易に解体できる構造に変更することで、部材ごと(樹脂パッド、布、金属)に分解できるようになり、リサイクル・有価物化によって、廃棄物を約8.5トン低減しました。今後も同様の観点で廃棄物の低減を進めていきます。

  • ※7 いろいろな部品が簡単に取り外しできること

エアバッグパッドの易解体(いかいたい)設計による廃棄物低減

もったいない点検

2018年から資源の無駄を排除するために、工場を点検し是正処置するもったいない点検を定期的に実施しています。2021年度からは点検に生産技術部門も加わり、生産工程から発生する端材や廃材の置き場を中心に環境担当の役員や各工場のトップが点検を行い、分別の徹底状況やリサイクルに向けた改善の検討を行っています。

もったいない点検/稲沢工場 もったいない点検/稲沢工場

製品のリサイクル技術の開発
  • 材料
  • 設計
  • モノづくり
  • 回収・再生
事例

ゴムのリサイクル工程を本格稼働

2021年4月に各種ウェザストリップ製品のリサイクル工程を専用棟に集約しました。当社の独自技術によって廃棄ゴムを原材料に戻し新たな製品に活用することで、約600tの廃棄物低減効果を見込むほか、原材料の輸送や廃棄物焼却時のCO2低減効果も見込んでいます。また、自社での活用にとどまらず、再生ゴムを他社に販売するなど、業界全体での環境負荷低減の取り組みにも貢献しています。

ウェザストリップ製品のリサイクル工程

ウェザストリップ製品のリサイクル工程

端材を活用した製品開発

ゴムの端材・リサイクル材を活用した製品開発を行い、工場での作業時に疲労を軽減するためのフロアシートの開発を行いました。また、エアバッグの端材を活用したエコバッグ等を開発し、Re-S(リーズ)という商品名で販売を開始しました。

https://res00.base.shop/

Re-Sは「Re-born」や「Re-cycle」といった「Re」から始まる環境に優しい活動を進めることでサステナビリティ「S」を高めるという意味を込めています。

水リスクの低減
  • モノづくり
事例

森町工場の排水処理施設を更新

設置から30年以上が経過した森町工場の工程系排水処理施設を2018年度に更新しました。従来より高度な処理(膜分離式活性汚泥法)の採用と常時監視機能の拡充により、従来よりきれいな安定した水質での排水を実現しました。

雨水利用による水使用量低減

当社記念体育館(同県稲沢市)や当社グループの豊信合成(株)では、工程の循環水やグリーンカーテン、リフレッシュスペースの植物への水やりに雨水を利用し、水使用量を低減しました。

当社記念体育館の雨水利用について

当社記念体育館の雨水利用について

当社グループ会社の雨水利用

当社グループ会社の雨水利用

自然共生社会への取り組み

生物多様性に関する主な活動1
事例

里山づくり

「樹守の里」

木曽川上流に位置する岐阜県美濃加茂市

「睦実の里」

当社森町工場の敷地内にある山林静岡県周智郡森町

2か所において、山林を借り下草刈り、間伐することで豊かな里山づくりを推進しています。

樹守の里/岐阜県美濃加茂市 樹守の里/岐阜県美濃加茂市

間伐作業のようす 間伐作業のようす

睦実の里/静岡県周智郡森町 睦実の里/静岡県周智郡森町

工場内の調整池を活用したビオトープづくり

2018年度に造成が完了した当社平和町工場のビオトープの生物調査を実施し愛知県生態系モニタリング指標種である5テーマ、5種類が確認でき徐々に生き物が定着し始めています。現在では、約95種類の動植物が生態系を形成しています。またこの活動は、今年11月に環境省の自然共生サイト※8に登録されました。

  • ※8 民有地などで生物多様性の保全が図られている地域を環境省が認定する本制度は、国際目標となっている30by30(2030年までに陸と海の30%を保全)
平和町工場ビオトープ

平和町工場ビオトープ

モニタリング調査員

モニタリング調査員

生物多様性に関する主な活動2
事例

藤前干潟クリーン活動に参加

2回/年従業員とその家族が、ラムサール条約※9で登録された愛知県名古屋市の藤前干潟の堤防に台風などの影響で打ち上げられた、大量の発泡スチロールやペットボトルなどのゴミを拾う生態系の保護活動を実施しています。また、ゴミを鳥や魚が食べ命を落としている現状を知ることや、普段入ることのできない干潟に生息している生き物(カニ、トビハゼ、シジミなど)を観察することで、環境について考えるきっかけづくりの場にもなっています。

この活動は、地域の方やNPO団体と協力して進めています。

  • ※9 水鳥の生息地となっている湿地の保全・再生に関する国際条約。1971年にイランのラムサールでの国際会議で採択

活動参加者 活動参加者

活動の様子 活動の様子

駆除活動に参加

愛知県江南市と近隣企業合同で実施する特定外来生物「オオキンケイギク※10」の駆除活動に参加しています。この活動は在来植物種の保護を目的としたもので、今後も地域の方と協力し、取り組んでいきます。

  • ※10 観賞用として海外から輸入されたが、繁殖力が強く、在来種を駆逐してしまうため、近年は特定外来生物に指定され、栽培や販売などが禁止されている

活動参加者 活動参加者

活動の様子 活動の様子

環境マネジメントの取り組み

事例

環境考動館の開設(ELC※11通称:エルク)

若手従業員や環境初心者を対象に、環境の基礎知識や社内の取り組みに関する知識習得のため常設で環境知識を学べる場を開設しました。

イラスト・動画の活用や体験型の展示により、世界の環境活動の動向や当社の取り組みを分かりやすく紹介しました。自職場でも応用できるよう、生産工程における省エネ・廃棄物低減や生態系保全の事例を展示。また、より多くの従業員がいつでも閲覧できるようオンライン(イントラネット)の活用や、従業員向けスマホサイトへの掲載も実施しています。

  • ※11 ELC(エルク):Environment Learning Centerの略語
展示会見学の様子

展示会見学の様子

若手従業員への教育

若手従業員への教育

もったいない川柳の募集(環境月間)

環境意識の向上を目的に、身の回りにあるエネルギーや資源、時間などについて、「もったいない」をテーマとした川柳を、豊田合成グループ全従業員から募集しています。部門・会社ごとに選出された代表作品から、金賞1作品を含め合計6名を表彰しました。また、応募作品については、社内向けのホームページへ掲載し、環境意識の向上につなげています。

作品
増やすなら ゴミの量より 使い道
つくりすぎ 資料も時間も もったいない!!
つくり手の 思いも捨てる フードロス
エコ意識 未来の自分へ エコ投資
マイボトル 忘れて家に 舞い戻る
ゴミ箱に 地球の未来も 捨てている

今年度の優秀作品

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