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2017年05月18日

誘電アクチュエータと誘電センサとして開発中の「e-Rubber」の主材料である超分子の独占ライセンス契約を締結

豊田合成株式会社(本社:愛知県清須市、社長:宮﨑 直樹)は、アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社(本社:千葉県柏市、社長:野田 結実樹、略称:ASM)※1との間で、「e-Rubber」※2の主材料である「スライドリング マテリアル」※3を、誘電アクチュエータ、誘電センサ用途に限り、排他的に使用・販売できる、独占ライセンス契約を締結しました。

「誘電アクチュエータ」は、1990年代に米国にて研究開発が開始され、柔らかく軽量、高出力、省エネルギーといった特徴から、「電磁モーターに代わる次世代の動力源」としてロボットの人工筋肉などへの適用を目指し、世界中で研究が行われてきました。

また「誘電センサ」も、「柔らかさを活かした触覚・圧力センサやモーションセンサ」としての実用化が期待されつつも、アクチュエータ同様、材料に起因する課題(内部摩擦や耐久性など)がありました。

当社は、超分子構造のスライドリング マテリアルの活用と、高分子分野の専門メーカーとして自動車部品等の開発で培った材料設計技術により、これらの課題を打ち破る性能を獲得し、様々な領域での実用化を追求する段階に至りました※4

豊田合成とASMは、今回の独占ライセンス契約締結を機に一層連携し、少子・高齢化社会を支える次世代の各種ロボットや、産業機器、自動車、IoTなどに対応した新デバイスとしての実用化に向けて「e-Rubber」の開発を加速させていきます※5

 

<活用が期待される領域>

<活用が期待される領域>

※1: 東京大学の開発したスライドリング マテリアルの事業化を目的として2005年に設立され、東京大学からスライドリング マテリアルの包括的基本特許の専用実施権を得て製品設計・市場開発・製法開発を進めている。

※2: 電気と力を扱う次世代高分子デバイス。電気を力に、力を電気に、変換する機能を持つ。2007年に開発に着手し、2013年に低消費電力で振動を発生できるゴムシートとしてサンプル出荷を開始。

※3: 直鎖状高分子「ポリエチレングリコール」、環状分子「シクロデキストリン」、ストッパー分子「アダマンタンアミン」から構成される「ポリロタキサン」と呼ばれるナノサイズの「ネックレス」構造の超分子によって構成される高分子材料。1990年にポリロタキサンが大阪大学大学院(原田明研究室)で世界で初めて合成された後、2000年に東京大学(伊藤耕三研究室)で、ポリロタキサンの環状分子(シクロデキストリン)の包接量をコントロールして直鎖状高分子(ポリエチレングリコール)上を自由に動くことができるようにした上で、環状分子同士を架橋させ、架橋点が自由に動く超分子ネットワークとして特許化したもの。ポリマー間のテンションを均一にする「滑車効果」など従来の樹脂・ゴムにない力学特性を持つ。

ご参考 :イメージ図

※4: 2015年度NEDO「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」プロジェクトにおいて、ASMおよび東京大学とともに「スライドリング マテリアルを用いた柔軟センサおよびアクチュエータの研究開発」の採択を受け、2020年に向けて開発を継続しています。

※5: このようなオープンイノベーションを基本とした取り組みにより、日本の優れた材料技術をコアとした産業創生にも貢献すべく尽力していきます。

以上

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