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2002年06月18日

豊田合成の特許を有効とする

東京高裁判決(豊田合成の勝訴判決)について

  豊田合成株式会社(松浦剛社長。以下、「豊田合成」という。)は、豊田合成が保有する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に関連する特許のうち、下記特許権に関する平成9年異議第76028号(異議申立人:高木栄、シャープ株式会社、香田寿一郎)について、特許庁が下した平成12年2月1日付「特許取消決定」を不服として、東京高等裁判所に異議決定の取消を求める訴訟を提起しておりました(原告:豊田合成、被告:特許庁長官、被告補助参加人:日亜化学工業)。
 本件につき、本日(6月18日)、東京高等裁判所第18民事部(永井紀昭裁判長)は、特許庁が下した「特許取消決定」を取消す旨の判決(実質的に特許を有効とする判決)を言い渡し、豊田合成の主張が認められました。これで豊田合成はまた特許権の権利維持ができ、特許網の充実を図ることができました。
 尚、昨年より、下記の表のとおり、豊田合成は、日亜化学工業との間で争われているGaN系青色発光ダイオードに関する東京高等裁判所における審決取消訴訟等において、7件中6件と高い確率で勝訴しています。また、豊田合成は、東京地方裁判所における日亜化学工業との2件の特許侵害訴訟において、本年2月28日にいずれも勝訴しております。

  豊田合成の特許 日亜化学工業の特許
特許番号 2737053 2681733 2658009 2626431 2780691 2778405 2751963
特許庁の判断
(審決日・異議決定日)
無効
(H11.10.26)
無効
(H12.3.13)
無効
(H11.10.1)
無効
(H12.2.1)
有効
(H12.6.16)
有効
(H11.12.6)
有効
(H13.3.27)
東京高裁の判断
(判決日)
有効
(H13.3.21)
有効
(H13.10.9)
無効
(H14.4.24)
有効
(H14.6.18)
無効
(H13.6.13)
無効
(H13.10.2)
無効
(H14.5.14)
豊田合成の
勝訴案件
×
 
 
1.事件番号
  平成12年(行ケ)第91号
 
2.対象権利(特許第2626431号)
  (1) n型の窒素-3族元素化合物半導体からなるn層と、p型の窒素-3族元素化合物半導体からなるp層とを有する窒素-3族元素化合物半導体発光素子において、
  (2) n層を、p層と接合する側から順に低キャリア濃度n層と高キャリア濃度n+層との二重構造とし
  (3) p層を、n層と接合する側から順に、マグネシウム(Mg)の添加された低キャリア濃度p層とマグネシウム(Mg)の添加された高キャリア濃度p+層との二重構造とし、
1)低キャリア濃度p層のホール濃度は1×1014/cm3以上、
2)高キャリア濃度p+層のホール濃度は1×1016/cm3以上
であることを特徴とする
  (4) 発光素子
 
3.異議決定取消訴訟提起の理由
  【特許庁による異議決定の内容】
刊行物の組み合わせにより容易
【当社の主張】
特許庁は進歩性の判断を誤っているおり、特許は有効である。
 
4.東京高等裁判所の判断
  特許庁の「進歩性なしのため特許を取り消す」との決定は本件特許発明と公知資料記載の発明との対比における相違点に関する判断を誤ったものである。従って、特許庁のした決定を取り消す。

以上

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