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2003年04月03日

日本初

天然ガス自動車用オールコンポジット製燃料タンクを開発

豊田合成株式会社(松浦剛社長)は、日本で初めて、オールコンポジット(樹脂ライナーとカーボン繊維)によって軽量化を実現した天然ガス自動車用燃料タンク(CNGタンク)を開発、2月14日に高圧ガス保安協会の設計確認審査に合格しました。

 国内では、環境に優しい自動車として、天然ガス自動車は経済産業省・国土交通省・環境省の「低公害車開発普及アクションプラン」の対象として指定されており、主に荷物集配車、路線バス、トラック、商用車等、都市部を中心に約15,000台が走行しています。海外においてもイタリア、中南米、アメリカ、他、全世界で約200万台普及しており、今後、益々増加すると予想されます。

 これまでの天然ガス自動車のほとんどは、金属製燃料タンクを搭載していますが、燃費の向上、動力性能の向上、積載量の確保の観点から、より軽量な燃料タンクの開発が望まれていました。
 当社は、こうしたニーズに応えるべく、オールコンポジット製燃料タンクの開発に取り組み、金属製燃料タンクと同等のガスバリア性を確保するために、独自のライナー用樹脂材料、口金と樹脂の接合構造を採用することで、その開発に成功いたしました。

 また、今回の樹脂タンク開発の技術を生かして、「燃料電池自動車用オールコンポジット製高圧水素タンクの開発」にも取り組んでおります(高圧水素タンクの開発は、NEDO[新エネルギー・産業技術総合開発機構]の平成14年度産業技術実用化開発助成事業に採択されています)。


ここに概要をお知らせします。
 
1.特徴
(1) 金属タンクに比べ、大幅に軽量化(約40%軽量化)
(2) 金属タンクと同等のガスバリア性((注1)規格値の1/10以下)
   
  (注1ガス透過量0.25cc/L・hr以下(ガス圧:20Mpa)
   
2.開発内容
   
(1) ライナーに要求される性能を有する樹脂材料(PPS[ポリフェニレンサルファイ]をゴムでアロイ化した新材料(注2)の開発
   
・ガスバリア性が良い材料
・温度依存性が小さく、伸び特性を有する材料
・溶着性が良い材料
   
(注2)特許出願済
 
(2) 口金と樹脂の接合構造の開発(特許出願済)
   
・口金と接合部の樹脂に応力が集中しにくい構造
・充填ガス圧による自己シール構造
 
3.開発品の仕様
   
・全長  815 mm
・胴部外径 317.5 mm
・内容積 46 L
・重量  20.1Kg
・充填圧力 20 Mpa
 
4.事業計画
 
 
2003年度サンプル出荷、2004年度量産、2010年度には売上高30億円/年を目指す。
 

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