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2001年10月17日

自動車部品に関する新たなリサイクル技術の開発

  豊田合成株式会社(松浦剛社長)は、環境への取り組みについて「自動車の環境(1.都市環境対策、2.地球環境対策、3.クリーンエネルギー・材料)」と 「自動車のリサイクル(1.リサイクル設計・製品開発、2.新規リサイクル技術開発、3.リサイクル材の車両搭載)」を両輪として推進しており、この程、 自動車部品に関する新たなリサイクル技術を開発いたしました。
 これらの技術は、10月27日に開幕する東京モーターショーに展示いたしますが、それに先駆けて、詳細をお知らせします。
 
1. 再生ゴム活用TPO材料 [トヨタ自動車(株)、(株)豊田中央研究所との共同開発]
 
1-1. ねらい
1.ゴム端材を利用したTPO材料の内製
2.せん断流動場反応装置を使用したTPO連続製造システムの確立
 
1-2. 新技術開発の経緯
 97年11月より、当社森町工場にて工程内で発生する、EPDMソリッドゴム端材(ガラスラン等)を「連続脱硫法」により再生ゴム化し、自動車部品(ラ ゲージウェザストリップ等)にリサイクルすることを開始して以来、適用製品と量の拡大を図ってきました。
 その技術を発展させ、EPDMスポンジゴム端材とPP樹脂からなるTPOを、せん断流動場反応制御により、連続式に製造するシステムを確立しました。
 
1-3. 新技術のポイント
1.連続式製造技術
(EPDM再生ゴム化[脱硫]、PP樹脂複合化[相溶]、EPDMゴム架橋化[反応])
2.モルフォロジー制御による海(PP)・島(EPDM)構造の確立
 
1-4. 適用製品例
1.ドアガラスラン(チャンネル部)
2.アウターベルトラインシール 等
 
1-5. 量産開始時期と生産能力
1.量産開始時期:2002年度
2.生産能力  :約360トン/年(当社のTPO年間使用量の約20%に相当)
 
TPO=オレフィン系熱可塑性エラストマー、成形性が良いため、バリが出にくい・成形サイクルが短い等の特長があり、製造コストが下げられるうえ、性能はゴムに近い。リサイクル性にも優れるため、ゴムシール部品を中心にEPDMからの転換が進んでいる。

EPDM=エチレン・プロピレン・ジエンゴム、対老化性、対オゾン性等に優れており、ウェザストリップを始め、ウォーターホース、コンベアベルト、電線被覆などの幅広い用途を持っている。
 
2. ポスト塩素系ゴム材料開発
 
2-1. ねらい
リサイクル難処理材料である塩素系材料の代替材の開発
 
2-2. 新技術開発の経緯
 「自動車リサイクル法」の制定が間近であり、今後、ゴム・プラスチック部品の埋立量を減少させるため、取り外し・マテリアルリサイクルが計画されていま すが、塩素系ゴムは非塩素系ゴムと異なり再生ゴム化が困難です。そのため、こうした材料は、シュレッダーダストにしてから、環溜ガス化・固形燃料化するこ と等が計画されていますが、燃焼時のダイオキシン対策および燃焼炉腐蝕防止のために、代替化および大幅減少化が急務となっています。
 こうした状況を受け、塩素系ゴム材料のひとつであるCR(クロロプレンゴム)他の代替材料を開発し、CRの使用量が最も多いエアクリーナホースから適用を開始するものです。
  
2-3. 新技術のポイント
1.異種材料のアロイ化により代替材料を開発
 (新耐油性ポリマー/EPDMアロイ材、アロイ材相溶化技術)
2.耐油性と耐疲労性の両立
 (アロイ材の微分散化)
3.現行材に比べ25%軽量化
 (材料比重効果、現行材=1.48・開発材=1.13)
 
2-4. 適用製品
エアクリーナホース 等
 
2-5. 量産開始時期
2002年度
 
 
3. エアバッグ基布端材リサイクル
 
3-1. ねらい
付加価値の高いリサイクル材への変換
 
3-2. 新技術開発の経緯
98年度より、運転席・助手席・サイドのエアバッグモジュールに使用する66ナイロンエアバッグ基布(ノンコートタイプ)のトリミング端材から「熱溶融処 理→リペレット処理→真空乾燥処理」の工程によって、原料としての66ナイロン樹脂ペレットを製造、その100%リサイクル材からバキュームサージタンク 樹脂部品(射出成形[小物])を量産してきました。
しかし、年間の端材発生量(約500t/年)に対し、バキュームサージタンクへの適用量は10%以下(約30t/年)であり、適用量を拡大するための検討を継続し、新たなリサイクル技術を開発しました。
 
3-3. 適用製品と新技術のポイント
1.リサイクルナイロンエンジンカバー(射出成形[大物])
 再生66ナイロンペレットをベースにエンジンカバーとして必要な製品・加工適性を満足するよう材料改質を行い、再生66ナイロンコンパウンド材を製造。性能は現行品と同等以上。
2.リサイクルナイロンパイル(植毛用)
 再生66ナイロンペレットをベースに、再度、紡糸・着色後、カットして、ナイロンパイルを製造。性能は現行品と同等以上。
 
3-4. 量産開始時期
エンジンカバー、ナイロンパイルともに、2002年度
※2003年度末までに、年間端材発生量(約500t/年)全量をリサイクルすることを目指して展開していく。
   
以上

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