豊田合成株式会社 豊田合成株式会社

未来の暮らしを変える技術力で挑む Japan Mobility Show2025
ジャパンモビリティショー2025で未来を描く
2025年10月30日〜11月9日に開催されるジャパンモビリティショー2025。豊田合成は2015年の東京モーターショー(現・ジャパンモビリティショー)以降、カーメーカーの要望に基づく製品を提供する企業から、ユーザー目線に立った「商品開発」を行うことで、「自社の技術力で未来を開拓していく企業」になっていく姿を発信していくことにも力を入れています。

今年はさらに、技術力による新たな価値創造に向けて、豊田合成が目指す姿を感じていただけるような展示を予定しています。今回のジャパンモビリティショーへの出展を通じて、私たちが挑む「未来に向けたチャレンジ」とはどのようなものなのか——その思いをお届けします。
1.
自動車部品だけでなくモビリティ、社会全体に貢献する技術へ
私たちが東京モーターショーでのPRの方向性を変えたのは2015年のことです。この年、エアバッグメーカーの当社が紹介するデザインコンセプトモデルとして、歩行者と衝突した際の衝撃をボディが膨らむことで緩和する安全機能を搭載したエアバッグカー「Flesby(フレスビー)」を公開。それまでの自動車部品メーカーとしては珍しい、愛嬌あふれるデザインと革新的な安全コンセプトが話題を呼びました。
初代Flesby(フレスビー)
初代Flesby(フレスビー)
これまでの既存技術の紹介だけでなく、未来に向けた技術の進化を形にして来場者に訴求することで将来性を感じていただくとともに、当社をより身近に感じていただき、応援してくださる方々を増やしていきたいと考えました。
我々は、自動車の部品をカーメーカーの要望に基づいて提供するだけの企業ではなく、ユーザー目線に立った開発を行い、積極的に提案することに力を入れています。モビリティショーなどの展示会で自動車に使用している部品を単に陳列しても、一般来場者には魅力的には映りません。部品だけでは将来性も感じられないでしょう。私たちは自動車そのものをつくることはありませんが、まず技術ビジョンを提案し、そこに当社の技術がどのように活かされるかを示すことが重要だと考えました(技術開発幹部)
「東京モーターショー」と呼ばれていた同イベントは、2023年から「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」へと名称を変更しています。これは、自動車産業がモビリティ産業へと生まれ変わる過程にある中で、他産業やスタートアップ企業も巻き込み、新しいモビリティ社会を「共創」していくイベントへと進化させることを目指したものです。

私たちが行ってきた転換は、こうした業界の流れに歩調を合わせるものでした。2017年、2019年には自動運転、電動化の進展を受け、当社の安全技術や材料技術などの進化を表現し、未来のコンセプトカーとして紹介することで、豊田合成のチャレンジをより印象付けることができました。今年展示するコンセプトカーはすでに 5代目となります。今回はモビリティ以外の生活にも共用できるポータブル水素カートリッジを搭載し、水素で駆動します。その他、センシングや照明、保護装置を使った交通弱者保護の安全技術を採用するとともに、リサイクル材料を統合したサステナブルなモビリティを提案します。
今年展示する未来のコンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT(フレスビ― ハイ-コンセプト)」
今年展示する未来のコンセプトカー「FLESBY HY-CONCEPT(フレスビ― ハイ-コンセプト)」
2.
高分子技術が切り拓く未来社会——2030年の目指す姿
2030年に向けて私たちが目指す姿、「高分子の可能性を追求し、より良い移動と暮らしを未来につなぐ会社」は、社会をより良く変えていこうという取り組み姿勢を示したものです。

高分子とは、小さな分子といういわば素材の「部品」が数珠つなぎのようにつながってできた物質であり、この「つなぎ方」を工夫することで、さまざまな性質を持った材料をつくることができます。私たちは、これまで磨き続けてきた合成ゴムやプラスチックの材料を開発・製造・加工する高分子技術の知見をもとに、「安心・安全」「快適」「脱炭素」という3つの価値を通じて、社会により貢献していきたいと考えています。

この3つの価値は、相互に関連し合いながら、人々の生活とモビリティの未来を根本から変えていく可能性を秘めているはずです。
NEW VALUE
「安心・安全」——あらゆる人を守る
国内における年間の交通事故死者数は、かつては2万人を超えていましたが、現在は約2,700人まで減少しています。この大幅な改善は車の安全技術の進歩によるものであり、当社では、交通死傷者ゼロを目指して、さらなるアプローチが必要だと考えています。

そもそも、この課題は四輪車の安全性能を高めるだけでは解決できません。歩行者、自転車、自動二輪車、電動キックボードなど、すべての交通参加者を包括的に捉えて、対応する必要があります。モビリティだけに技術を組み込むのではなく、インフラとの連携も含めた多角的なアプローチが求められることから、当社はセーフティシステムの技術を進化させ、四輪車以外のモビリティへの展開を進めていきます。

交通死傷者ゼロを目指すうえでは、エアバッグそのものの性能を向上させるだけでなく、エアバッグ開発で培った要素技術の応用も重要になっていくと考えています。例えば、瞬時に展開する技術、人の位置を検知するセンシング技術などの技術を組み合わせることで、従来のエアバッグという枠を超えた安全システムが構築できるはずです。四輪車だけでなく、二輪車、電動キックボード、さらにはドローンまで、あらゆるモビリティの安全性向上に貢献していきたいと、研究開発に取り組んでいます。
開発中のエアバッグの衝突試験の様子
開発中のエアバッグの衝突試験の様子
※会場ではミニチュアモデルで紹介します。
今回のモビリティショーでは、安心・安全に関するテーマを「あらゆる人を守る」として、ボディの一部が張り出してクッションの代わりとなる「ポップアップフェンダー」、歩行者や自転車の衝突を予測し、危険を知らせるサイネージ技術、さらには自動二輪車用エアバッグなど、安全技術の新たな可能性をお見せします。
「快適」——人々の健康と幸せをつくる
快適の分野では、単なる利便性の向上を超えて、人々の健康とウェルビーイングに役立つ技術開発を進めています。今回のモビリティショーでは、高齢社会やストレスフル社会において、重要となってきているウェルネスへの取り組みを体験していただく展示を企画しました。

特に注目していただきたいのは「未来のコックピット体験」です。乗員の体調や気分をセンシングし、その状態に応じて車室内を光・音・映像で最適に演出する技術を公開します。自動運転時代において、車は移動するためだけの空間ではなくなり、心身のリフレッシュや創造性を育む場へと変貌する可能性を秘めています。その効果を体験いただくことができます。
未来のコックピット体験のイメージ
未来のコックピット体験のイメージ
さらに、当社の原点であるゴム技術を応用したヘルスケアAIインソールは、歩行データから健康状態を分析する新たなソリューションです。

このAIインソールは、立っているときや歩いているときの足の圧力を細かく測定し、健康的な姿勢や歩き方ができているかを判断できます。将来的には、病気になる前の健康管理に役立てることで、多くの人の健康寿命を延ばすことに貢献できると考えています。

今回はその技術と画像処理技術を合わせることにより、人の姿勢を簡易的に診断できるコーナーを設けます。自分の状態を知ることで体の疲れを把握し、病気を予防につなげられることを感じていただけます。
ヘルスケアAIインソールを活用した姿勢解析
ヘルスケアAIインソールを活用した姿勢解析
※画像はイメージです。
「脱炭素」——地球環境と調和する循環型社会づくり
脱炭素分野では、水素エネルギー技術リサイクル技術の両輪で、脱炭素・循環型社会に貢献します。

まず、水素エネルギーを社会に広く普及させるために不可欠となる「水素の貯蔵」については、当社が得意とする高分子技術を活かせる分野であり、これまで培ってきた技術力を集結して取り組んできました。当社の水素タンク技術は、30年ほど前にCNG(圧縮天然ガス)の技術開発で積み重ねた知見を活かして、超高圧にも耐えられる耐圧性と軽量化を両立させています。水素を効率的に貯めて運ぶには、700気圧という非常に高い圧力が必要です。一般的な自動車のタイヤの空気圧(約2気圧)の350倍、深海7,000メートルの水圧と同じくらいです。

このような強い圧力に耐えるため、まず水素が漏れないよう特殊な樹脂でタンクの内側をつくり、カーボンファイバーを何層も巻きつけ、さらにガラス繊維で補強しています。まさに、当社の高分子技術を結集した製品です。
日本向けポータブル水素カートリッジ ※ 写真提供:トヨタ自動車
日本向けポータブル水素カートリッジ ※写真提供:トヨタ自動車
今回展示する「ポータブル水素カートリッジ」は、モビリティ用途を超えて、家庭用エネルギー、キャンプ、移動販売車の発電機まで、生活の幅広い場面での活用が可能です。これにより、エネルギーの民主化と分散化に貢献し、災害時の備えとしても機能することが期待されます。

次に、当社が20年以上にわたって研究開発を続けてきた技術の成果である、ゴムリサイクル事業について紹介します。

ゴムは製品の生産時に化学反応により分子結合が成形されると、元の素材の状態に戻すことが不可能とされていました。しかし、当社はゴムの素材自体を自社で開発・生産してきた強みを活かし、ゴムを粉砕し、最適な条件で熱と水を投入することにより、分子結合を選択的に切断するとともに、臭気を除去する技術を確立してきました。素材に戻すことができれば、再び加工することができます。これにより、新品材料の20%までリサイクル材を混合することも可能になり、今後、比率を増やしていくことで循環型生産に貢献しようとしています。

2030年にはゴムとプラスチックのリサイクル規制が導入され、新たに製造する自動車には25%以上のリサイクル材を使用することが義務付けられます。私たちはリサイクルゴムのトップランナーとして、貢献できると信じています。
3.
来場者の想像力を刺激する体験型展示へ
今年のモビリティショーでは、“ゴム・プラスチック”を中心とした専門技術を活かし、2030年以降の未来にも持続的に貢献していく姿を訴求していきたいと考えています。
技術説明というよりも、「豊田合成が何を目指しているのか」をいかに形にしていくかを考えて企画しました。よりリアルな展示で実際に技術を見て触れて、体験していただくことで、豊田合成の想いを少しでも持って帰っていただければ、と考えています。
豊田合成の技術は、モビリティはもちろん、暮らしにも広がり、よりよい未来を目指してさまざまな可能性にチャレンジしていることを感じていただけたら嬉しいです(モビリティショー企画担当)
FUTURE VISION
当社が目指すのは、高分子を核とした技術で、社会課題を踏まえた価値をお届けすることで、持続的に事業成長していくことです。自動車産業で培った技術基盤を活かしながら、エネルギー、環境、ヘルスケアなど、社会の幅広い領域で価値を創造していく。それは、産業の境界を越えて暮らしに身近な技術企業としての新たなアイデンティティの確立を意味します。
「豊田合成って面白い会社だよね」「何かやってくれそうだよね」と皆様に言われるような企業でありたい——。私たちは単なる自動車部品の供給会社ではなく、技術を活かした多様な価値提案ができる企業を目指していきます。
4.
共に創造したい、未来のカタチ
2025年のジャパンモビリティショーで豊田合成が示すのは、「技術力で社会にどう貢献していけるのか」を追求する未来への姿勢です。展示される一つひとつの技術は、現在の研究開発の延長線上にある確かな技術でありながら、同時に私たちの暮らしとモビリティの未来を根本から変革する可能性を秘めていると信じています。

「安心・安全」「快適」「脱炭素」という3つの価値は、より良い社会の実現に向けた道筋を示せるはずです。それは単なる技術の羅列ではなく、より豊かな未来社会への招待状となることを願っています。

ぜひ会場で、豊田合成が描く未来のカタチを体感してください。そこには、技術と人間、産業と自然、現在と未来が調和した新しい世界が待っています。
INFORMATION
イベント詳細
イベント名 ジャパンモビリティショー2025
会期 2025年10月30日(木)~11月9日(日)
会場 東京ビッグサイト
豊田合成ブース 西展示棟4階W4101
※ 主催者特別展示「Tokyo Future Tour」(西展示場1F)でも同社技術を展示
プレスリリース https://www.toyoda-gosei.co.jp/news/details.php?id=1454
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